2012年9月取材
得田 優さん・晴美さん

 

得田優さん・晴美さんご夫妻
  • 移住前のご住所…大阪府
  • 移住日…2011年3月(当時、優さんは29歳)
  • 現在のお仕事…環境教育活動

 

移住前はどのような生活でしたか?

世界中をバックパックでまわりました。
出身は石川県。大学時代からは大阪で暮らし、CM制作会社に勤務。
28歳のとき1年間休職し、世界をバックパックでまわりました。アジア、中東、アフリカ大陸、アフリカは南アフリカまで行きました。
 

 

移住を考え始めたきっかけは?

自然の中で暮らしている人には生きる知恵がある。
29歳で帰国したとき、大阪で結婚し暮らし続けるという選択肢はなくなっていました。自分自身もそうでしたが、子どものことを考えても。
海外には昔の日本がありました。自然の中で暮らしている人には生きる知恵があります。大阪時代の自分はパソコンを使えても、自分では一から何もできないと感じていました。
そして、理想とする生活に一番近いのは田舎暮らしだと考え、移住先を検討していきました。
 

移住までの流れは?

倉吉は晴美さんの故郷。以前に一度訪れたことがありました。
2010年秋、大阪で行われた移住定住相談会の倉吉市ブースで話を聞き、その後、倉吉を訪ね、当時の移住定住担当者に案内してもらいました。そのときは、大阪から1泊2日かけて自転車で行きました。
 

移住先を倉吉に決めた理由は?

優さん「倉吉にはゼロからやれる面白さがある。」
倉吉は、自然、町、どちらも未開で手がつけられておらず、人口も少ない。自分の想いを実行するには、少人数の町の方がいいと思っていたので、倉吉市関金町の山は変に開発されておらず魅力的に映りました。関金町は気に入っています。

晴美さん「いつかは帰りたいという気持ちがあったが、きっかけがなかった。」
大阪に出たときから、住むなら田舎の方がいいと思っていましたが、仕事を辞めてひとりで帰ってくるタイミングがありませんでした。優さんが倉吉を気に入ってくれて、移住することになり嬉しいです。
 

移住後はどのような暮らしをされていますか?

移住してからは、山の多い関金町で環境教育活動を行っています。移住時にはすでに関金町をフィールドにしようと決めていました。
都会の子どもたち向けに、自分でやりたいことを決めて実践する体験型の教育旅行を具体化する仕事に参加し、企画・提案などを行いました。
今後は、地元の人が「どういうことができるのか、したいのか」を聞き取り調査して、新しい型のプログラムをつくっていきたいと考えています。

 

倉吉での暮らしはいかがですか?

時間の流れがゆったりしているし、気持ちに余裕ができる。
海外で、会社に勤めていなくても家族と楽しく暮らしている人の姿を見て、毎日を充実した気持ちで暮らすことの方が大切だと気づきました。それが本来の人間らしい暮らしだと思います。
今は、満足感があります。農業のように、やったことは自分にすぐ返ってくるからわかりやすいし、やりがいがあり、足りないところも自分が気づいたら、自分のやり方で変えていくことで改善できます。一つ一つの反応を楽しんでいます。

元々住んでいる人は気づいていない地元の素晴らしさ
ここには、元々住んでいる人は気づいていない地元の良さがあります。例えば「おすそわけ」です。旬のものを旬の時期にいただける習慣は素晴らしい。
また、町ごとにやっているお祭りも地域性が出ていて興味深いです。みんなが車を持っていることにも驚きました。
 

倉吉での暮らしで困ったこと、不便なことはありますか?

言葉に戸惑いました。しかし、逆に興味もわきました。言葉以外に苦労したと思えることはありませんね。不安なこと=ヒント。不安なことが、次のチャンスにつながると思っています。
 

これからどんな暮らしをされていく予定ですか?

メッセージ性のある暮らしをしたい。
2012年秋から関金町福原地区に家を借ります。
家は自分で探しました。福原地区は別世界のように美しく感じました。
里山での暮らしで実験的なことをして、都会のマンションやアパートで暮らすのとは違う価値観を体験したいです。
水道は山から水が引いてあり、水道代はかかりません。家の裏に水路があり、水車を作ってみたいと思っています。風呂は薪で沸かせるお風呂。そういう暮らしをしていくことが都会の方へのメッセージになると考えています。田舎暮らし=スローライフではありません。田舎には資源がたくさんあり、ゆくゆくは人がたくさん来ると思っています。自家発電の電気も作れることも広めたり、そんなメッセージ性のある暮らしをしたいですね。
 

 

移住を考えている方にメッセージをお願いします。

ゼロから自分で仕事を創り出す。
田舎では雇用が多くあるわけではありませんが、実際に現地に来て移住者の視点でみると、その土地の人が気づかなかったようなことが仕事になり、新しい仕事の発見につながります。
田舎暮らしをしたいなら、自分で仕事を創り出すのがいいと私自身は思います。さらに自然と共生したシンプルな生活を送ることが出来れば、生活面での負担も減り、新しい暮らし方が可能だと思いますよ。

2016年4月 夫婦で「自然がっこう旅をする木」を設立。

 

 里山の小さな集落にある空き家を改修し、自然や人との関係を通じて子供も大人も自由にのびのびと育ちあえる新しい教育の場。カウンセリングの考え方を取り入れたアウトドアと暮らしをテーマにした新しい教育の場を設立されました。

主な事業

  • 幼児スクール(4歳〜6歳)
  • 自然育児サークル(0歳〜3歳)
  • キャンプなど(幼児〜大人)

主なフィールド


福原集落全体(校舎、棚田、神社、畑、森、源流、広場など)
※その他にも季節に合わせて、海などに出かける場合があります。