○倉吉市職員等のハラスメントの防止に関する条例
令和6年12月19日条例第26号
倉吉市職員等のハラスメントの防止に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、市の職場におけるハラスメントの防止及び排除のための措置、その被害者への配慮並びにハラスメントに起因する問題に適切な対応を行うことにより、職員等が身分、職位及び職責にかかわらず、互いに信頼し、人権を尊重することで、それぞれの能力を発揮することができる良好な職場環境を確立することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 市長等 市長、副市長及び教育長をいう。
(2) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職及び同条第3項に規定する特別職(市長等及び市議会の議員(以下単に「議員」という。)を除く。)に属する市の職員をいう。
(3) 管理監督者 職員で地方公務員法第28条の2に規定する管理監督職を占める者をいう。
(4) 職場 市長等、職員及び議員(以下「職員等」という。)がその職務を遂行する場所(出張先その他通常業務を遂行する場所以外で実質的に職場と同視すべき場所を含む。)をいう。
(5) ハラスメント 次のアからエまでに掲げる区分に応じて当該アからエまで定めるものをいう。
ア セクシュアル・ハラスメント 他の者を不快にさせ、職場環境(職場の環境をいう。以下同じ。)を害する性的な言動及びこれに対応した者が精神的・身体的な苦痛を受け、又は勤務条件につき不利益を受けるもののこと。
イ 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント 妊娠、出産又は育児若しくは介護のために休業を取得等することを理由に、その者が勤務条件につき不利益を受け、又は精神的・身体的な苦痛を受けること。
ウ パワー・ハラスメント 同じ職場で働く者から、職務上の地位、知識、経験、人間関係等の優越的な立場を背景として、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、その者が精神的・身体的な苦痛を受け、及びその者の職場環境が害されるもののこと。
エ その他のハラスメント アからウまでに掲げるもののほか、職場において行われる言動によって、それを受けた者が不快になり、尊厳を傷つけられ、不利益若しくは脅威を受け、又はその者の職場環境が害されるもののこと。
(ハラスメントの禁止)
第3条 職員等は、ハラスメントが個人の尊厳を傷つける人権侵害であることを理解し、他の職員等にハラスメントを行ってはならない。
2 前項の規定は、職員等と、指定管理、業務委託その他の市との関係により事業等に従事する者(第9条及び第12条において「業務等従事者」という。)との関係においても同様とする。
3 職員等は、ハラスメントに関する適切な認識を共有し、他者の言動を逆手にとって当事者間の信頼関係及び職場環境を損なうことがないよう努めなければならない。
(市長等の責務)
第4条 市長等は、職員がその能力を十分に発揮できる職場環境を確保するため、職員に対しハラスメントの防止に関する周知啓発を行い、ハラスメントに対応する相談、調査、審議等に関する体制を整備するとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合は、迅速かつ適切に必要な措置を講じなければならない。
(職員の責務)
第5条 職員は、職務遂行上の対等なパートナーとして、他の職員の人格を尊重しなければならない。
2 職員のうち係長その他の他の職員を監督する職を占める者(管理監督者を除く。)は、ハラスメントの防止に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合は、管理監督者とともに迅速かつ適切に必要な措置を講じなければならない。
(管理監督者の責務)
第6条 管理監督者は、職員の育成及び能力開発がその責務であることに留意し、ハラスメントの防止に努めなければならない。
2 管理監督者は、ハラスメントに起因する問題が生じた場合は、迅速かつ適切に必要な措置を講じなければならない。
3 管理監督者は、ハラスメントに関する相談、調査への協力その他のハラスメントに対する職員の対応に起因して、当該職員が職場において不利益を受けることがないように配慮しなければならない。
(議長の責務)
第7条 市議会の議長(以下単に「議長」という。)は、議員がその能力を十分に発揮して活動できる環境を確保するため、議員に対するハラスメントの防止に努めるとともに、ハラスメントに起因して、議員が活動できる環境が害され、又は議員に不利益が生じた場合は、当該議員に配慮しつつ、迅速かつ適切に必要な措置を講じなければならない。
(議員の責務)
第8条 議員は、市民の代表者として市政に携わることについて、その権能及び責務を自覚し、常に高い倫理観を持ってハラスメントの防止に努めなければならない。
2 議員は、自身がハラスメントを行ったと疑われたときは、自ら誠実な態度をもってその対応に当たり、及び説明責任を果たさなければならない。
3 議員は、ハラスメントに当たると疑われる言動を目撃したときは、当該言動を行っている者に対し、これを厳に慎むべき旨を指摘し、解決するよう努めなければならない。
(申出等の手続)
第9条 職場においてハラスメントを受け、又は確認し、若しくは把握した者(業務等従事者を含む。)は、市長(議員にあっては議長)に対し、当該ハラスメントの事案を書面、口頭その他の手段により申し出ることができる。ただし、地方公務員法第8条第2項第1号の要求又は同項第3号の苦情によるべきものは、これを除く。
2 職員等は、前項の規定による申出(以下単に「申出」という。)の権利を濫用してはならない。
3 申出は、総務部においてこれを取り扱う。ただし、議員によるものは、議会事務局においてこれを取り扱う。
(事実関係の調査等)
第10条 市長又は議長は、申出があった場合は、当事者、関係者等への聴き取りその他の事実関係の調査を行い、これに適正に対処しなければならない。この場合において、市長又は議長は、必要があると認めるときは、当該調査を行うため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項に規定する附属機関その他の機関を設置することができる。
2 前項の場合において、申出に係る調査の当事者が議員であるときは、市長はあらかじめ当該議員に対して調査を行う旨を議長に報告し、及び当該議員は調査に協力しなければならない。
3 第1項の場合において、申出に係る調査の当事者が次の各号に掲げる者であるときは、それぞれ当該各号に定める者がその職務を代理する。
(1) 市長 副市長
(2) 市長及び副市長 地方自治法第152条第3項の規定に基づく市の上席の職員
(3) 議長 副議長
(4) 議長及び副議長 議長及び副議長を除く年長の議員
(個人情報の保護等及び秘密の保持)
第11条 職員等は、ハラスメントの当事者及び関係者に関する個人情報その他の情報の取扱いに十分注意し、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(不利益取扱いの禁止)
第12条 職員等は、他の職員等及び業務等従事者がハラスメントに関する相談等を行い、又は行おうとしたことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
(対応措置)
第13条 市長及び議長は、ハラスメントの事実が確認された場合は、次の各号に掲げる当該ハラスメントの当事者(行為者である場合に限る。)の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める措置を行うことができる。この場合において、当事者が第10条第3項各号に掲げる者であるときは、同項の規定を準用する。
(1) 市長等、議員及び職員(地方公務員法第3条第3項に規定する特別職に属する者に限る。) 公表
(2) 職員(地方公務員法第3条第3項に規定する特別職に属する者を除く。) 地方公務員法第29条の規定による懲戒処分
(研修等)
第14条 市長は、ハラスメントの防止等を図るため、副市長、教育長及び職員に対し必要な研修等を実施しなければならない。
2 議長は、ハラスメントの防止等を図るため、議員に対し必要な研修等を実施しなければならない。
(委任)
第15条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。