お話をうかがった方約60年前に自社製造したプラスチック成形機は今も現役。当時、全国に約100台出荷しました。インク溶剤に耐性のあるユリア樹脂がホルダーの原料。砂のような原料を金型に入れ、熱と圧力を加えて形を作ります。パッキンなどのペン部品を成形するポリエチレン成形機。24時間自動で稼働するよう自社で調整しています。バリ(プラスチックなどを加工するときにできる出っ張りやギザギザ)を取り、製品検査をして完成。 プラスチック成形に興味があり、1年前に別の業種から転職しました。現在担当している仕事は、原料となる樹脂を機械に入れたり、バレル研磨機を使ったバリ取り作業などです。難しい作業は先輩が担当されているのを見て勉強中です。 プラスチック成形に興味があって入社したけど、面白いと感じるのは成形機のメンテナンスや修理なんですよ(笑)。まずは機械が動かないと成形できないですし。60年前の成形機が今も現役なのは、先輩方が繋いできた技術のお陰だなと思います。会社概要企業名 有限会社奥村鉄工所所在地 〒682-0874 鳥取県倉吉市西岩倉町2184電話:0858-48-0777 FAX:0858-48-0778創 業 1895(明治28)年 代表者 代表取締役 奥村 知正従業員数 13名営業品目 油性筆記具部品、電気部品、回転型自動圧縮成形機https://okumuratk.com/WEBサイト代表取締役奥村 知正社長ゆうげんがいしゃおくむらてっこうしょ教えてセンパイ!T・Uさんバリホルダー 今から約60年前(1960年代)、当社はプラスチック成形機メーカーとして機械の開発・製造をしていました。ある時、お客様から「成形機も買うから成形品も作ってほしい」と依頼を受けたのがきっかけで、成形品の製造をスタート。今ではこれがメイン事業です。 現在当社で成形しているものは大手文具メーカーの筆記具の部品です。油性ペンの芯を支える『ホルダー』や、ペン軸の中に入れてインク漏れを防ぐパッキンなどを製造しています。㈱セイコ製作所[P.27]にも部品を納めています。 1895(明治28)年、当社は鍛冶屋として創業しました。社名に「鉄工所」とありますが、製造しているものはその時代に必要とされるものです。蔵のかんぬき(扉が開かないようにする部材)、水力発電機の部品、鉄道のレール加工…。成形機製造を始めたのも、プラスチック需要の高まりを受けたためです。会社は創業当時と同じ場所にあり、倉吉市とともに今という時代を歩んでいます。 大手文具メーカーの筆記具の部品成形が約9割です。油性ペンの芯を支えている『ホルダー』は、油性インクで溶けにくい(耐溶剤性)、ユリア樹脂で作ります。この油性マーカーは国内でも販売していますが、海外で大人気です。黒色のホルダーは月間約110万個製造しています。 倉吉市とともに今という時代を歩む時代に必要とされたから時代に必要とされたから縁あってプラスチック部品縁あってプラスチック部品あ。これ、ウチで作っとる。ウチの会社のえ~とこ!13 有限会社奥村鉄工所
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