お話をうかがった方農地などで使用する養生敷板を固定する金具を製造中。㈱ウッドプラスチックテクノロジー[P.9]からの依頼品です。鉄は熱するとある程度形を変えることができます。熱した鉄を叩くことで不純物が出て行くため、強度が増します。鉄板の先端に溶接で刃物鋼を付けます。一体化させるために炉で焼いて鍛造。刃を研いで塗装し、柄を付けたら完成です。地域によって鍬の刃先の形が違うのは、地質や栽培する作物で特徴に合わせて鍛冶屋と農家が工夫をした結果です。 長ネギ栽培に使用する農具「軽量型葱レーキ」の刃先。WEBサイト代表取締役八島 久普社長やしまのうぐこうぎょうかぶしきがいしゃ教えてセンパイ!八島 久普社長ガス炉溶接で先端に刃物鋼を付けたもの見本の型ベルトハンマー鍬の完成品せん ば 1897(明治30)年、当社は稲扱千歯の製造元として倉吉市鍛冶町で創業しました。大正から昭和初期には養蚕の道具や田押し車(除草機)、第二次世界大戦後の食糧難の時代には田畑を耕す鍬の製造に特化しました。最近は大型機械の補助具や家庭向けの小型農具が多いです。必要とされる製品は時代ごとに変わりますが、中心になるのはいつも農具です。 ホームセンターでは大量生産された均一の形の農具を販売していますが、当社が作る製品、特に鍬は使用する地域にあわせて形状や柄の取付け角度を変えます。農具が一番活躍していた江戸時代、流通経路は限られていました。地元の鍛冶屋が農家の声を聞いて改良を重ねた結果、その地域独自の形をした農具が生まれたのではないでしょうか。当社の農具を使ってくださる利用者の声には耳を研ぎ澄ませ、不便を便利に変えていく。それをするのは、地域の伝統技術を知っている鍛冶屋の役割だと考えています。いな こき たたら文化を伝えるワークショップで当社の工場を提供しました。すると、今まで企業同士の付き合いばかりだったのが一般の方への認知が広がり、包丁や農具の修理の依頼が増えました。これからは自社製品をもっとPRしていきたいですし、お客様にお待ち頂く場所として展示スペース兼商談スペースを作りました。https://yashima-iron.co.jp/ 農業用品が中心ですが、建築現場や工場で使う鈎(かぎ)を製造しています。家庭向けでは鉄製オイルガードや、鉄製看板・サインのオーダー製作も行います。 梨農家が考案し当社で製造した収穫用台車は農業専門誌に掲載され、日本各地から注文をいただきました。これからはアウトドア関連グッズや鉄のフライパンなど、農具以外の鉄製品ができればと思っています。会社概要企業名 八島農具興業株式会社所在地 〒682-0035 鳥取県倉吉市広栄町889-6電話:0858-22-7233 FAX:0858-22-7235創 業 1897(明治30)年代表者 代表取締役社長 八島 久普従業員数 5名営業品目 農業用品を中心とした金属製品の製造・加工、及び卸・小売明治から令和を歩む農具専門メーカー地域の農業に寄り添って地域の農業に寄り添って鍛冶屋は不便を便利に変える鍛冶屋は不便を便利に変えるあ。これ、ウチで作っとる。ウチの会社のえ~とこ!42 八島農具興業株式会社
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