第32回「少年の主張」鳥取県大会3賞受賞
第31回「少年の主張」鳥取県大会
「少年の主張」鳥取県大会が、2010年9月15日(水) に米子コンベンションセンター小ホールにおいて開催されました。
「少年の主張」は、中学生が日常生活の体験を通じて考えたり、意見として抱いていることを発表するものです。
県内の中学生の総作品数1,904編の中からから選ばれた12編の作者が作文の発表を行い、その結果、最優秀賞、優秀賞、優良賞を受賞しました。
賞 | 氏名 | 題名 | 学校 | |
---|---|---|---|---|
最優秀賞 | 鳥取県知事杯 | 中島 萌々子 | 「ダンスの力が与えるもの」 | 西中学校 |
優秀賞 | 鳥取県議会議長杯 | 渡部 華成 | 一歩踏み出す | 東中学校 |
優秀賞 | 鳥取県市長会長杯 | 浅田 さつき | 自分らしく、人間らしく | 西中学校 |
優良賞 | 田辺 華菜 | みえないぬくもり | 東中学校 |
倉吉市の中学生は、昨年も、石川鉄平さん「つらい時にこそ気づくもの」(東中)の最優秀賞をはじめ、優秀賞、優良賞を受賞しています。
2年連続での最優秀賞および優秀賞の受賞は快挙です。
鳥取県知事杯を受賞した中島さんの原稿を紹介します。(本人の了解を得て掲載しています。)
「ダンスの力が与えるもの」
倉吉市立西中学校 二年 中島萌々子
嵐のような拍手が私を包む。私はこの瞬間が一番好きだ。ステージの上で息をきらしながら心の中で「やったぞ」とつぶやく。
八年前、私はダンスを始めました。父の知り合いの子どもがダンスをしていて、誘われたのがきっかけでした。
見学をしたら、やってみたいと思ってダンスを習い始めました。そのころの私はとてもはずかしがり屋で、自己紹介も自分で言えないほどでした。でも、ダンスをやっているうちにだんだんとはずかしがり屋ではなくなっていきました。授業中の発表は今でも少し苦手だけど、ステージの上で踊る時は逆に目立ちたがり屋になります。
人前で話すことは苦手なのに、人前で踊ることは大好きです。
毎年、必ず発表会があります。去年、『HEART2』という大きな発表会がありました。私はその中の六曲を、スポットライトを浴び、思いっきり全力で踊りました。
その発表会が終わり、何日か過ぎたある日、先生が私たちに話してくれました。
『HEART2』をある女の子とその子の友達が見に来ていました。女の子は不登校だったそうですが、一緒にダンスを見に行こうと友達に誘われて、頑張って来たそうです。ダンスを見てからその女の子は変わったそうです。自分から学校に行くと言って、今は学校に毎日行っているという話でした。その女の子のお母さんが先生にそう言ったそうです。
それを聞いてすごくうれしかったです。ダンスを見に来てくれた人に元気や勇気をあげられたんだと思うと、それからもっともっと頑張りました。
私はあることに気付きました。今までは一生懸命踊ることだけに集中していたけど、ただ一生懸命踊るだけではなくて、人に元気や勇気をあげたいから、まずは自分が笑顔で楽しく踊らないと見ている人には伝わらないのではないかと気付きました。
踊っている人も楽しく、見ている人も楽しくなれるのがダンスの良いところだと私は思います。ただ、「楽しさ」を伝えるといっても、曲によって表現の仕方が違うので、全てが楽しく踊っているわけではありません。悲しい表情をしたり真面目な表情をしたり、顔だけではなくて体全部でそれを表現しないといけないのですごく難しいです。それをまた、どのようにすれば見ている人に伝わりやすいかを考えるのが、あの女の子のおかげでよりいっそう楽しくなりました。
私はダンスをしている時、何もかも忘れることができます。ダンスに集中しているし、踊っている最中は「幸せだなぁ」と自然に思います。たとえ失敗してしまっても、本気でやって間違えたなら悔いがないから、次頑張ろうと思います。これはステージの上でも同じです。
私は、舞台の後ろにいても前にいても、どこに立っていても、精一杯悔いのない踊りをこれからも踊っていきたいです。
ダンスを見に来て下さった人に元気や笑顔をたくさん持ち帰ってほしいです。そして、明日も頑張ろうという明るい気持ちになっていただければとてもうれしいです。そういう人が一人、また一人と、どんどん増えていくようなダンスを踊っていきたいです。
私は、これからもダンスを通して、人に元気や勇気、そして笑顔をあげたいです。
スポットライトが一瞬にして消え去る。それと同時に嵐のような拍手が会場を一つにさせる。この心地よさがたくさんの人にいつまでも続くように、と願う。
私の顔が、自然と笑顔になった。