教育長エッセイ「ふるさと創生のために~倉吉市教育振興基本計画の成熟~」
育振興基本計画の成熟~」
ふるさと創生のために
~倉吉市教育振興基本計画の成熟~
新年明けましておめでとうございます。
今年は申年。申という文字は草木が伸びた状態をいうことともに、果実が成熟して固まっていく状態を表しています。昨年は未年で、「未」は象形文字で木の枝葉の茂った様を表していました。 倉吉市の教育の在り方を示す「倉吉市教育振興基本計画」は、第一期(平成23年~27年)から第二期(平成28年~32年)に進みます。平成27年度には、第一期の計画の点検を行うとともに、学校教育審議会・社会教育委員協議会・博物館協議会・文化財保護審議会・学校給食委員会・図書館協議会など、有識者や関係者のご意見をいただきながら第二期の計画の立案をしてきました。1月には素案を提示し、市民の 皆様からのご意見を募集することとなります。
倉吉市教育行政の大きな課題である「倉吉市立小中学校適正配置」の議論も、まだ熟していない状態でし た。昨秋5つの中学校区別説明会では、学校の適正配置についてより具体的な計画を示してほしい、開校までの手続等を考えると早期の推進をすべきだとの意見が多く出されました。今年、3月には、第二期倉吉市 教育振興基本計画の中で「倉吉市立小学校適正配置推進計画」を発表していく予定です。まさに倉吉市教育振興基本計画も、申年の今年は成熟して固まっていく状態となるようにしていきたいと考えています。
さて、3日は倉吉市成人式を倉吉未来中心大ホールにおいて挙行いたしました。市議会・県議会の議員、 各自治公民館長、民生委員、保育園・幼稚園長、小・中・高校の校長、他の来賓と保護者の御臨席をいただき、新たな成人をお祝いしました。市長は「自立するとともに大人としての自覚を持ち、地方創生の原動力 となること」、市議会議長は「阪神淡路大震災の年に生を受けた新成人に倉吉の担い手になってほしい」との祝辞、新成人代表からは「家族やふるさと倉吉への感謝とマスコミの仕事に就くという自分の将来への抱 負」が述べられました。保護者からは「成人式は『親の卒業式』であり、夢の実現に向けて困難に立ち向かい、よきパートナーを見つけ子孫をつなげていってほしい」との言葉がありました。
この成人式は、10人の実行委員が夏から企画(成人式実行委員会活動日誌)をしてくれました。また、 38人の中学生と5名の若者たちのボランティアが協力してくれました。こうした手作りの成人式を経験した若者達が一人でも多く育ってくれることを期待しています。
「地域に誇りと愛着を持つ次世代育成」、これは今後の倉吉教育を推進していく上でのキーワードです。 年末に開催された倉吉市公民館研究大会では、公民館活動の中で培われた力を人づくり・地域づくりに役立てることが論じられました。「小学校がなくなれば地域の拠点がなくなり、地域が寂れる」という声もあり ますが、地域の拠点は公民館であり、生涯学習の場として「つどう・まなぶ・つなぐ」をテーマとした公民館活動があります。子どもから高齢者まで、多種多様な講座や事業を展開し、自治公民館や地域振興協議会 などいろいろな団体の活動と連携して、人づくり・地域づくりを進めていきます。
子どもたちが地域の自然・伝統・文化を学ぶと共に地域づくりに参加することにより、地域に誇りと愛着 を持つ次世代育成が可能となり、それが地域の振興の土台となります。そのためにどんなことができるのか、「倉吉市未来いきいき総合戦略」と併せ、学校・地域・家庭が一体となって考え、取り組んでいくことが地 域の活性化になり、地方創生にもつながっていくと考えます。
3匹の猿が両手でそれぞれ目、耳、口を隠している三猿は、"Three wise monkeys"として世界的にも知られています。悪しきことを「見ざる・言わざる・聞かざる」という格言でもありますが、申年の今年、ふる さと創生のために為さざることのないようしっかりと努めていきます。
平成28年1月4日
倉吉市教育委員会教育長 福井伸一郎