教育長エッセイ「未来の倉吉を創るための一歩を」
未来の倉吉を創るための一歩を
平成25年度の始めにあたって
未来の倉吉を創るための一歩を
桜の花が見ごろになってきました。やはり、年度の始まりには桜の花がふさわしいと思います。今日から平成25年度が始まります。「愛着と誇り 未来いきいき みんなでつくる倉吉」(倉吉市第11次総合計画の将来都市像)をめざし、「平成25年度 倉吉市の教育方針と重点施策」を定め、心新たに取り組んでまいります。
河北中学校の移転に伴い、3月23日と24日に、旧校舎から新校舎への移転作業(引越し)が行われました。在校生と教職員約300名に加え、保護者・地域ボランティア・卒業生約100名の方が応援にかけつけてくださいました。「66年間に一度の移転作業!一生涯に一度経験できるかどうかの一大イベント!」のあいさつで開始。朝からあいにくの雨模様でしたが、徐々に天気は回復し、予定より早く作業を終えることができました。ご協力をいただきましたボランティアの皆様、本当にありがとうございました。3月25日には、旧河北中学校体育館で修了式を行って、生徒たちは旧校舎と最後のお別れをしました。
この移転事業は、平成12年に早川市長の時に県へ要望され、長谷川市長時代に具体的な交渉がなされ、石田市長になって建築工事にかかりました。13年間の市議会や地元の方々のご尽力により実現できたものです。新しい4階建の校舎、改装された管理棟・体育館、新築の音楽室、鳥取県一の広い運動場等々、新しい学校で中学校生活を充実したものにしようという生徒や教職員、地域の方々の意気込みが感じられます。
時は日々新たになっています。そして、それに対応する新しいシステムが必要です。昨年度、学校・学級の適正規模、校区の再編を含めた「倉吉市立小・中学校の適正配置等について」それぞれの小学校区で説明会を開催し、市民の皆様とともに倉吉市の学校について考えてきました。説明会でいただいた意見を集約し、課題を絞り込み、秋には市民シンポジウムを開催し、教育委員会で具体案を検討しました。また、市長と教育委員で協議し、平成25年3月には「倉吉市立小・中学校の適正配置の具体案【草案】」を提案しました。
4~5月に中学校区で、6月~8月に該当校区で説明会を開催いたします。平成27~30年を再編の予定として推進してまいります。
教育のハード面だけでなく、ソフト面では、学校教育と社会教育が連携しながら、特に「倉吉に誇りと愛着を持つ子どもの育成」に取り組んでまいります。
平成24年度に、伯耆の国司として倉吉に赴任した山上憶良を記念して創設した「山上憶良短歌賞」には、家族をテーマとして、倉吉市内の小学生、中学生、高校生から1234首の応募がありました。その中で、部門ごとに、憶良賞1首、佳作5首程度、入選10首程度を選びました。倉吉図書館のロビーに展示しています。
小学生の部 大根はくるっとまわしてしゅっとぬくみんなで知った楽しい一日
中学校の部 暗い道自転車をこぐ一直線家の門灯ぼくの灯台
高校生の部 十七年あなたが名前つけたのに間違えている犬の名前と
中には、「離婚して父が不在の我が家庭家族は僕が支えてみせる」という頼もしい男生徒の作品もありました。今年度は鳥取県内に拡大し、一般の部を設け、より大きな短歌大会と致します。
また、出雲風土記1300年ということですが、それにちなんで「くらよし風土記」の作成を進めています。「くらよしってどんなところ?」と問われた時、わが故郷の倉吉がきちんと語れる生徒を育成したいと思います。倉吉独自の教材づくりの推進として、小学生用の副読本「わたしたちの倉吉」を改訂しました。市内の中学校の先生を編集委員として、学ばせたい倉吉の100項目を選び、「くらよし風土記」を発行します。これを公民館の講座などでも利用していただき、市民も学べるものにしたいと考えています。
昨年、今、倉吉市民が過去の百年から未来に目を向ける分岐点と述べました。今年は、「愛着と誇り 未来いきいき みんなでつくる倉吉」をめざして、未来の倉吉をいっしょに創るための一歩を踏み出しましょう。
平成25年4月1日
倉吉市教育委員会教育長 福井伸一郎