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更新日:2021年8月16日

 令和3年の正月を迎えました。新年、おめでとうございます。
 現在、倉吉市教育委員会では、本市における教育の振興のための施策に関する基本的な計画として、「倉吉市教育振興基本計画」の第三期計画(令和3年度~令和7年度)を策定するために、令和元年度から教育委員会事務局の各課が所管する審議会等において、第一期、二期の計画の成果と課題を明らかにし第三期計画に盛り込む内容を協議しています。
 そこで、少し第一期、二期の取組を振り返ります。「倉吉市教育振興基本計画」(第一期 平成23年度~平成27年度)は、将来的な方向性や重点的に取り組むべき施策を示すともに、各年度の「倉吉市の教育方針と重点施策」と「倉吉市教育行政の点検及び評価」により進行管理をし、着実な計画の推進に努めてきました。その成果として、改正された教育基本法第13条にある「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」について、具体的な連携協力の在り方の仕組みとして、「倉吉市小中学校の地域学校委員会(コミュニティ・スクール)」を立ち上げました。「行きたい学校・帰りたい家庭・住みたい地域」をスローガンとして、地域の代表者が学校運営に参画し、学校支援ボランティアなど学校教育を支援する体制づくり、そして、各地区における「教育を考える会」の開催、「倉吉の子育て十か条」制定など、学校と地域・家庭が共通のベクトルを持って子どもたちの教育を推進しています。
 また、「くらよし風土記~倉吉学入門」の中学生への配布、小中学生倉吉淀屋サミット(菜の花プロジェクト)など、倉吉に誇りと愛着を持つ子どもの育成を地域とともに行うという動きとなっています。 
 社会教育においては、公民館職員の資質向上に努め、文部科学大臣表彰を多くの公民館が受賞するなど充実した公民館活動が展開されています。令和3年度からは、「コミュニティセンター」として、新たな歩みが始まります。また、地域の文化、芸術、伝統の掘り起しに努め、文化財の登録数の増加、郷土の作家展、山上憶良短歌大会の開催など、みんなでつくる倉吉を目指して取組んでいます。
 教育環境の整備充実では、小中学校の耐震化、エアコン設置を進め、陸上競技場・野球場・温水プール等スポーツ施設、博物館、給食センターなどの改修に取組んでいます。そして、倉吉市小学校の適正配置について協議を重ね、学校統合に向けて準備を推進しています。さらに、新型コロナウィルス感染症対策については、子どもたちの安全・安心を第一に考え、様々な対策を継続しているところです。

 第三期計画の策定にあたっては、今後、一層進む少子高齢化社会に対応する教育行政を行うために、市民の要望をしっかりと把握し諸施策を展開することが必要です。また、現在策定中の「第12次倉吉市総合計画」との関連を図り、地域ぐるみで子育てを支える環境をさらに充実させ、地方創生のために地域の次世代育成を推進する内容としたいと考えています。
 我が国の現状は、超スマート社会(Society5.0)の実現に向けて人工知能(AI)やビッグデータの活用などの技術革新が急速に進んでいます。こうした社会の大転換の中で、新しい時代の到来を見据えた次世代の教育が求められており、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けての取組も進んでいます。この背景には、地域の課題である人口減少・高齢化などを解決していくという大きな目標もあり、そのため、持続可能な教育システムの構築に向けた新たな政策も展開されつつあります。
 学校の授業においても、「主体的・対話的で深い学び」の考え方を継承しつつ、ICTの活用を前提として、読解力の基盤的学力を確実に習得しながら、最新テクノロジーとの共存を目指すことが重要です。そのため、一人一人の興味・関心・適性に応じて、個別最適化された学びの実現が求められ、科学的に思考・吟味し活用する力や価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力が重要視されています。
 こうした状況を踏まえ、第三期計画では、今後の倉吉市教育について、教育理念と4項目の教育大綱を次のように定めようと考えています。

 【教育理念】
  「豊かな心を持ち 自立して生きる 未来を拓く 人づくり」

 【教育大綱】

  • 創造性を培い、豊かな心と健やかな身体を養う。
  • 幅広い知識を身に付け、自立して生きる力を養う。
  • 社会の一員として、多様な人とともに、協働する力を養う。
  • 郷土を愛し、自然を大切にし、伝統や文化を尊重する態度を養う。

 豊かな心とは、他人を思いやる心、生命や人権を尊重する心、自然や美しいものに感動する心、正義感や公正さを重んじる心などだと考えます。子どもたちに豊かな人間性と社会性を育むことが、自立して生きることにもつながります。自立とは、経済的な自立だけではなく、精神的な自立も大切であると考えます。人間関係において、他の人とつながりながら、しかし、必要以上に他の人に依存することなく、自らの生き方を決めていく力が必要であると思います。そして、将来どのような課題に直面しても、課題を解決するため粘り強く果敢にチャレンジしていく力を身につけさせたいと考えます。
 そのための学びの素材は、「ふるさと倉吉」です。学校での各教科の学習において、基礎基本を確実に身につけることが第一ですが、倉吉市の豊かな自然・風土・歴史・文化などに触れ、倉吉のよさを感じるとともに、進んで地域づくりに参画しその発展に寄与し、次代を担う地域の後継者として積極的に行動しようとする気持ちも育てたいと考えます。倉吉にあっても、他の地域にあっても倉吉を愛する心を持ち、すべての人を尊重し、お互いの発展に寄与する態度を養い、地域の未来を拓いていく力を育てたいと考えます。
 時代の大きな変革の中で、一人一人が,豊かな人生を生き抜くために必要な力を身に着け、さらには、その能力を発揮して、持続可能な社会を創造していく、そのための人づくりが大切です。倉吉市民であること、そして、鳥取県民であること、日本国民であることを自覚し、グローバルな視野を持って、誰もが幸せに生きることのできる社会を目指したいと思います。

令和3年1月4日(月曜日)

倉吉市教育委員会教育長 小椋博幸