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更新日:2024年1月3日

令和の時代の学校教育

令和6年1月4日(木曜日)     
倉吉市教育委員会教育長 小椋博幸

 令和6年の正月を迎えました。新年、おめでとうございます。昨日、1月3日には「倉吉市はたちのつどい」を開催しました。倉吉を、鳥取県を、日本を担っていく若者達、立派でした。将来どのような課題に直面しても、課題を解決するため粘り強く果敢にチャレンジし、倉吉にあっても、ほかの地域にあっても倉吉を愛する心を持ち、すべての人がそれぞれの地域を尊重し、お互いの発展に寄与する態度を養い、地域の未来を拓いていく力を発揮していただきたいと思います。

 中央教育審議会答申(令和3年1月26日)「令和の日本型学校教育」の構築を目指しての中に示されているキーワードは二つあります。一つは、個別最適な学び(「個に応じた指導」(指導の個別化と学習の個性化)を学習者の視点から整理した概念)であり、新学習指導要領では、「個に応じた指導」を一層重視し、指導方法や指導体制の工夫改善により、「個に応じた指導」の充実を図るとともに、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整えることが示されており、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ることが必要とされています。
 二つ目は、協働的な学びです。「個別最適な学び」が「孤立した学び」に陥らないよう、探究的な学習や体験活動等を通じ、子供同士で、あるいは多様な他者と協働しながら、他者を価値ある存在として尊重し、様々な社会的な変化を乗り越え、持続可能な社会の創り手となることができるよう、必要な資質・能力を育成することも重要とされています。

 義務教育の中核となる学校教育の役割として、 学力だけでなく、学校生活全般において、他者と関わりながら、共に学び、人間性を涵養することの重要性であるとか、学校を、子供たちが安心して学び、ウェルビーイング※を実現できる場所にすることの必要性も求められています。
 また、一人一人の「良さを徹底的に伸ばす」ことに対応できる学校教育の実現や ICTも適切に活用しつつ、個々の不登校児童生徒の状況に応じた学びの多様化に資する環境整備を図ること、児童生徒や教師が学ぶ楽しさや期待を感じながら共に学びに向かう「魅力ある学校づくり・授業づくり」を推進することも重要とされています。さらには、生涯学習社会を生き抜くためには、学校教育全般において、子供たちが自ら他者と関わりながら積極的に参画し、挑戦する場面を適切に設定することも求められています。これらのことを実現するために、「主体的、対話的で深い学び」を追求していくということです。

※Well-being(ウェルビーイング)とは、Well(よい)とBeing(状態)が組み合わさった言葉で、「よく在る」「よく居る」状態、心身ともに満たされた状態を表す概念。

 学校は「学ぶところ」ですので、児童生徒の発達段階に応じて、必要な力を身につけさせることが第一義ですが、その環境を整えることも必要です。そこで、倉吉市教育委員会では、環境を整えることに関して二つのことを検討しています。

 一つ目は、ファミリーホリデー(仮称)(体験的学習活動等休業日)の導入です。
 体験的学習活動等休業日とは

【家庭及び地域における体験的な学習活動その他の学習活動のための休業日】

ということで、休業日の導入により大型連休等を作り、児童生徒と保護者等が体験的な学習活動等に参加する機会を創出し、児童生徒等の心身の健全な発達を一層促進する環境を醸成することを期待するものです。また、働き方改革の中で当該休業日に保護者の休暇取得を促進することも期待しています。
県内では、鳥取市、琴浦町、南部町、県立高校の一部がすでに実施されています。本市でも、保護者をはじめ、商工会議所、事業所等、関係のみなさまに説明し、ご意見を伺いながら可能であれば令和6年度に試行的に1日でも設定できないかと検討しています。

 二つ目は、市内の中学校の制服をジェンダーレス(ブレザー等)の倉吉モデルに統一出来ないかということの検討です。
 現在は、男女の性別によって指定され、セーラーやスカートは冬場の体温調節を難しくしていますし、学校間の価格差もあります。そこで、性差によらない新しい倉吉モデル(中学校統一型制服)を導入することで、受容性の高い学校環境を作りたいと考えています。倉吉モデルが導入できれば、性別で指定されることのない制服を選択できることになり、多様な中学生の自分らしさを応援することにつながります。スラックスを採用することで、安全性や防犯の向上も期待できます。
 また、制服の生地やデザインなどを工夫して、丈夫な生地、体の成長に合わせられるデザイン、家庭で洗濯がしやすい素材などを工夫し、3年間着用できるようになります。さらに、どの中学校に通学しても同価格で購入でき、市内全体で再利用(リユース)することの促進にもつなげることができます。いろいろな理由で転校するときも買い替えなくてもよいようになりますし、兄弟姉妹での使用にも可能性が生まれます。生徒、保護者等のみなさんの意見や要望等をお聞きしながら倉吉モデルを検討することで、倉吉市に合った長期間愛用される制服にしたいと考えています。

 「倉吉市教育振興基本計画」のスローガンは、 ~行きたい学校・帰りたい家庭・住みたい地域~ です。目指すところは、持続可能な倉吉を創造していく、そのための人づくりだと考えています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。