分銅形土製品
阿弥大寺遺跡 長4.5cm
弥生時代中期から後期にかけて出現する土製品。岡山を中心とする瀬戸内海沿岸に集中する。山陰の出土品では、櫛描文や刺突文の組み合わせにより文様を構成するものが多いが、阿弥大寺例は目・鼻・口を愛らしく表現している。
鳥形スタンプ文土器
中峯遺跡
線で鳥の輪郭を縁どり、胴体にはスジを引いて羽毛を表す。スタンプ文土器は、同心円やうず巻き状の文様もあるが鳥形は、全国でも岡山・鳥取・島根で6例が知られている。山陰と山陽を結びつける貴重な資料である。
【県指定】 銅鐸
小田 高44.3cm
銅鐸は農耕儀礼にかかわる祭具。振り鳴らして音を出すベルから祭器としての見る銅鐸へ変化する。本例は、扁平鈕式といわれる型式で祭器として大型化する直前の段階に位置する。他に1口あり、県内唯一の複数理納の例である。
台付壷
下ノ山遺跡 高17.4cm
下膨らみの壷に低い脚台がつく。壷には細い線で区画された胴部全体を、二枚貝の腹緑を押し付けた文様で飾っている。均整のとれた形と文様が良く調和した美しい土器である。赤色顔料が残っており、元々は赤く塗られて墳墓に供えられた祭祀用土器と思われる。
台付注口土器
長瀬和助北遺跡 高34.8cm
脚台の上に算盤玉形の大型の注口土器がのり全体に赤色顔料が塗られている。壷胴部は波状文と刺突文で、脚台部は凹線文で飾られる。脚台付きの注口土器は中期の瀬戸内海沿岸地方においてみられる。倉吉地方では、大栄町青木遺跡で中期後半の長脚無頸壷が出土している。
大谷・後口谷墳丘墓出土品
大谷・後口谷墳丘墓は、長方形の四隅部分を掘り残して四辺に溝を設けた方形墳丘墓。平野を見下ろす標高40mの丘陵尾根に立地する。墳丘墓群のうち2基が調査された。
出土品は、墳項部分を中心に壷・甕・高杯・器台がある。
出土品のなかには吉備地方(岡山県)から持ち運ばれた大型壷が含まれている。
【県指定】 阿弥大寺墳丘墓出土品
阿弥大寺墳丘墓は、長方形の四隅が長く張り出し周囲に貼石をめぐらした四隅突出型墳丘墓。河岸段丘上に立地する。出雲・伯耆を中心とした日本海側で35基が確認されている。出土品は、3基からなる墳墓群のうち最大の1号墓の突出部分周辺からまとまって検出された。甕・壷の底には穴があけられ供献土器としている。