山陰初展示「ヨシタケシンスケ展かもしれない」大盛況
今年、春の特別展「ヨシタケシンスケ展かもしれない」が大盛況です。久しぶりに大勢の賑やかな声が館内に響いています。振り返ると2020年春の特別展「平山郁夫展」は、新型コロナウイルスの感染症拡大防止の観点から会期を半分残して閉幕し、その後、臨時休館に入りました。人を集める展覧会やイベントに対して、市民から厳しい目が注がれる日々でした。毎年恒例の市民美術展の開催も中止となり、出口の見えない何とも言いようのない毎日を過ごすこととなりました。猛暑の中のマスク着用。3年経ってすっかり慣れたとはいえ、暑いさなかでは息苦しいことこのうえありません。
コロナ感染の波が次々やってくる中、次第にコロナとの付き合い方も上手く要領を得てきました。少しずつコロナ前の日常が戻り始めたのは、今年になってからでしょうか。
今年は春の訪れが全国的にも早く、3月末には桜が満開どころか散り始めるくらいの早咲きでした。4月初旬に休暇を利用して家族で近くの三仏寺(三朝町三徳)を訪れた時、驚きました。いつものこの時期であれば、各塔頭の庫裏の玄関先には雪囲いがありましたが、見当たりません。周りに雪が全く残っていませんでした。さらに驚いたのは、茶屋の庭にシャクナゲが咲いているではありませんか。倉吉市内よりも山がちで標高も高く、開花が最も遅いはずの三徳山で、5月頃に咲くシャクナゲが咲いているとは。今年の春の異常な早さにびっくりです。
さて、「ヨシタケシンスケ展かもしれない」ですが、小さなお子様連れから若い女性の友達連れ、そして年配のご夫婦と実に年齢幅が大きいです。これまでの展覧会にはなかったほど非常に幅広い層に支持された展覧会となりました。娘さんとお孫さんを連れだった女性の方は、「孫よりも私がヨシタケさんの絵本の大ファンなんです。地元の倉吉に展覧会が来るなんてラッキーです」と目を少女のように輝かせて感激しておられました。主催者として何よりの言葉をいただきました。
館内の6つの展示室を使って構成しています。ヨシタケシンスケ氏の2,500枚にのぼるスケッチや立体作品、ヨシタケシンスケ氏が当館に来館されて開幕前に展示監修された際に、館内に貼り残されたメッセージもあります。最終の展示室は,オリジナルグッズ類の販売コーナーです。こちらも連日、人だかりの大盛況です。まだ、お越しでない方は、是非ご来館ください。
さて、当館は、「ヨシタケシンスケ展かもしれない」が5月7日で閉幕すると、工事のため臨時休館となります。照明器具のLED化に向けた改修工事です。博物館部分は9月8日まで、歴史民俗資料館は11月初旬までの休館となります。毎年、この時期に開催していた「倉吉市美術展覧会」は、11月開催に変更します。また、同じく8月の夏休み中開催の「自然科学展」は今年は休止させていただきます。楽しみにしておられるご利用のお客様にはご不便をおかけしますが、何卒、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
館長 根鈴 輝雄
倉吉市制70周年記念・日本海新聞中部本社設立30周年記念事業
「ヨシタケシンスケ展かもしれない」
令和5年4月8日(土曜日)~5月7日(日曜日) 会期中無休