倉吉博物館開館50周年記念特別展「大御堂廃寺展」が開幕しました
本日、「大御堂廃寺展~仏教の華ひらく はじまりの寺~」が来月14日までの会期で開幕しました。
展覧会の軸となる史跡 大御堂廃寺跡は、鳥取県の中央部に位置する倉吉市の市街地にあります。史跡範囲は、33,503平方メートルと広大で、北側隣接地には来年3月30日に開館する鳥取県立美術館があります。現在、県立美術館の開館にあわせ、市文化財課が史跡整備を進めています。発掘調査で明らかになった講堂跡や僧房跡の整備から始め、順次、塔跡、金堂跡の基壇の復元を県立美術館開館後も進めていく予定です。
大御堂廃寺は、今から1300年以上前の飛鳥時代に山陰地方で最も早く創建された古代寺院です。この寺院は、二つの大河川の合流地点にあり、治水の必要な場所に立地しています。大河川の一つ、天神川の源流近くには、修験霊場 三仏寺があります。また、もう一つの河川 小鴨川は、霊峰大山に水源があり、やはり修験霊場 大山寺があります。大御堂廃寺は、これら聖なる浄水が集まる地に建立されています。
展覧会では、「スゴすぎる大御堂廃寺!」と銘打って、地方寺院でありながら奈良の都の寺院にも肩をならべる出土品の数々を飛鳥寺や法隆寺、薬師寺といった都の寺院から借用したお宝と一緒に展示しています。山陰地方唯一出土の蓮をかたどった蓮華文鬼瓦、大御堂廃寺と平城京にしかない全身像鬼瓦、斉明天皇の菩提を弔うために建立されたと伝わる川原寺(奈良県明日香村)とよく似た軒丸瓦などです。また、銅製の匙は、正倉院宝物に同形同大の資料が伝わっています。そして、寺院での生活用水を確保するための上水施設(溜枡と木樋)もあります。地方寺院では、ほかに類例のない施設です。
都の寺院や奈良国立博物館、奈良文化財研究所などから借用した展示品と大御堂廃寺出土品あわせて57件124点の展示品が並びます。また、大御堂廃寺のお寺の規模を実感できるモノもあります。是非、展示会場でご覧いただきたいと思います。
「大御堂廃寺展ー仏教の華ひらく はじまりの寺ー」
令和6年9月1日(日曜日)~10月14日(月・祝)
休館日:9月2日、9、17、24、30、10月7日