水道事業の現在地

水道事業は皆さんが支払った水道料金で支えられています。

 市民の皆さんに安心して水道水を使っていただくために必要な施設の維持管理と整備の経費は、一般の行政サービスに使われる「税金」ではなく、皆さんにお支払いいただく「水道料金」で賄われており、これは別の財布(水道事業会計といいます。)で管理しています。

料金循環

水道料金の使い道

 皆さんにお支払いいただいた水道料金は、次のように使われています。

水道料金の使い道

 ※借入金や、国からの交付金などの財源を除いた額を表示しているため、実際の費用とは異なります。

厳しさを増す水道のお財布事情

 令和2年度に下水道部門と統合、令和3年度に窓口業務の外部委託など、業務効率化や人員削減による事業利益の確保に努めてきました。

 しかし、人口減少に伴う料金収入の減少が進む一方で、物価高による材料費や光熱費の増加や老朽化対策・耐震化などの施設整備費の増加により、令和11年度には事業損益(事業収入ー事業費用)が赤字に転落する見通しです。

水道事業の損益

水道事業が抱える課題

 水道料金収入の減少

 水道施設の維持管理と整備のための主要な財源となる水道料金収入は、給水人口の減少や節水機器の普及などの影響から、減少傾向にあります。

 この傾向は今後も続き、必要な財源の確保はさらに厳しくなります。

料金収入の推移

 大規模災害への準備

 令和6年1月に発生した能登半島地震を受けて、上下水道管路の耐震化が注目されました。

 地震などの大規模災害に備え、管路を含む水道施設の計画的な耐震化が必要ですが、耐震化の指標の一つである「上水道基幹管路の耐震適合率」が県平均や全国平均と比べて低い状況にあり、重点的な取り組みが必要です。

耐震適合率 

持続可能な水道を目指して

水道を事業をとりまく環境に対応した料金体系へ

 倉吉市の水道事業は、平成8年7月に料金を改定して以来、28年間水道料金を据え置いてきました。

 その間、上下水道事業組織の統合や、窓口業務のアウトソーシングなどを行い、職員数の削減をはじめとした費用の削減に取り組んできました。

 しかし、人口減少や節水型社会への転換などにより料金収入が減少する一方で、物価高騰による維持管理費用の増加や、老朽化する施設の更新費用の増加、加えて管路等施設の耐震化の実施など、事業継続のための費用が増加の傾向にあります、

 経費削減のための経営努力は引き続き行っていく必要はありますが、それだけでは必要な財源の確保は困難な状況にあります。安心安全な水道水を皆さんにお届けするため、人口減少や水の使われ方の変化にあわせた料金の仕組みをつくることが必要です。