更新日:2022年6月9日
北海道において、マダニが媒介する新たなウイルス感染症「エゾウイルス感染症」が報告されました。また、 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、従来は西日本に限局していましたが、近年静岡県、愛知県及び千葉県と東日本でも確認がされています。 ダニ媒介感染症については、本県においても、令和2年に県内で初めて重症熱性血小板減少症候群(SFTS)患者が確認されるとともに、令和3年5月には県内で初めて犬の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が確認され、本年5月30日には県内で初めて猫の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が確認されています。 また、日本紅斑熱やつつが虫病も毎年県内で患者が確認されているところです。人獣共通感染症として、動物から人への感染リスクについても注意が必要です。
山林での作業、農作業及びレクリエーションで野山や畑等に出かけるときは、マダニに刺さ
れないよう次のことに注意してください。
- 肌を出来るだけ出さないよう長袖、長ズボン、手袋等をしましょう。
- 肌が出る部分や服の上からダニ忌避剤(ディート剤)を噴霧しましょう。
- 服は、ダニの付着が目立つ、白い色にしましょう。
- 地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないよう敷物をしきましょう。
- 服にダニが付着している可能性があるので、車や自宅に入る前に服をはたき、帰った後は
すぐ入浴し、体を良く洗い、新しい服に着替えましょう。
- 野山などに出かけられた後、体にマダニに刺されたと疑われる刺し口がみられ、発熱等の
症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。
また、稀な事例ではあるものの、SFTSを発症した犬や猫から人へ感染する事例が報告されています。
ペットがダニに咬まれないようにするとともに、ペットが体調不良の場合は、次のことに注意してください。
- ペットがダニに咬まれないよう、ダニの駆虫薬を定期的に投与しましょう。
- ペットに付着しているダニは適切に駆除しましょう。
- ペットが体調不良の際は、直ちに動物病院を受診しましょう。
- 体調不良のペットを触る場合は、手袋を着用し、ペットに咬まれないよう注意しましょう。
- SFTSを含めた動物由来感染症の感染を防ぐため、ペットとの過剰な触れ合いは控えましょう。
- 飼い主が体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。受診する際は、ペットの飼育状況やペットの健康状態についても医師に伝えてください。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
平成23年に中国で初めて特定された、SFTSウイルスに感染することにより引き起こされる病気で、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることで感染します。西日本を中心に多くの患者が報告されており、致死率は6.3〜30%と言われています。なお、県内では令和2年6月8日に初めてSFTS症例が確認されています。
感染経路
多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染しますが、稀に血液等の患者体液との接触により人から人への感染も報告されています。
症状
マダニに咬まれてから6日から2週間程度の潜伏期間を経て、主に発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現し、時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)を起こします。
対処方法
治療は対症療法しかなく、有効な薬剤やワクチンはありません。
詳細な情報は、厚生労働省や国立感染症研究所の以下のリンクをごらんください。