平成16年2月6日
はじめに
倉吉市では、情報公開と市民参画の市政推進のため、予算編成過程を公開することといたしました。公開するのは、担当課の予算要求額とそれに対する査定額及び査定方針です。現在、査定額として公表しているのは総務部長による査定が終了した段階でのものです。この後、市長によるヒアリング及び査定を通じて、議会に提出する最終的な予算案となるものです。
予算編成の過程
- 担当課が予算要求(当初予算については前年の11月下旬、補正予算については市議会定例会が開かれる月の前々月の下旬までに予算要求書を財政課に提出。)
- 財政課によるヒアリング(担当課ごとに要求内容を聞き取り)
- 財政課長査定
- 査定結果を総務部長に報告
- 総務部長査定
- 内示(各担当課に総務部長の査定結果を示す。)
- 復活要求
- 市長によるヒアリング(市長が担当課の復活要求の内容を聞き取り)
- 市長査定
平成16年度予算編成の特徴、査定方針
平成16年度の地方財政対策について、先月、その概要が示され、国の三位一体の改革などにより、地方交付税と交付税の不足分を補う臨時財政対策債が大幅に減少する事態に直面しています。これを受けて、各地方公共団体は予算編成を見直しせざるを得ない状況になっています。
平成15年10月の予算編成方針にもあるように、一般財源を前年度に比較して12億円節減する必要がありますので、各部局にも9%以上の削減を要求し、平成15年度と同程度の一般財源額(141億円)に抑える目標を立てました。しかし結果として、担当課の当初予算要求額(一般財源)は155億円と前年度当初予算一般財源と比べて約14億円増えていました。これは、各部局とも9%の削減ができなかったこと、社会保障関係経費の伸びが大きいこと、重点施策として掲げられている企業立地推進、情報基盤整備、学校施設整備があることなどの理由によるものです。
そのため、査定作業で14億円を減額しなければなりませんから、新規事業はほとんど削減し、既存事業の義務的経費を除く部分についても大幅に削減せざるを得ません。削れる部分はすべて削っていくというかつてない査定作業になりました。
査定作業に当たって、以下のような具体的な基準を設けて取りかかりました。
- 委員報酬は、日額3,000円(前年度6,300円)。→削減効果500万円
- 旅費のうち、大会・研修会への参加については概ね50%削減。県外の複数出張、視察研修の抑制。→対前年度旅費減額1,500万円
- 消耗品費のうち事務用品は50%,その他の消耗品は概ね10%削減。→対前年度消耗品費減額2,700万円
- 公用車120台のうち30台を廃止する。→削減効果200万円
- 10万円未満の単市補助金は廃止。10万円以上の単市補助金については10%以上の削減。→削減効果4,300万円
- 市税、国保料前納報償金の率を0.3%から0.1%に削減。→削減効果(税)1,300万円(国保料)300万円
- 基金の繰替運用を積極的に活用することにより一時借入金を抑制する。→対前年度一時借入金利子減額2,800万円
- 新規事業については、極力延期または中止とする。→対要求額減額約10億円
- 協議会・協会等負担金を支払っている団体からの脱退。→削減効果200万円
- 既存のイベントについては廃止の方向で見直し。→削減効果4,800万円
このような査定作業を行っているときに、三位一体の改革による影響として、地方交付税が6.5%、臨時財政対策債が28.6%減じられることがわかりました。本市にあてはめて計算してみると地方交付税と臨時財政対策債との合計で約5億円の減額(当初予算比較)になります。
この大幅な歳入の一般財源の減額のため、基金を取崩さざるを得ませんでした。地域福祉基金については、果実運用型の条例を改正した上で、元金を取崩すこととし(3億5千万円)、また、農業博覧会記念人材育成基金については、条例を廃止し、全額を一般会計に繰入れることとしました。(1億円)
また、重点施策の一つとして位置づけられている小鴨小学校の改築につきましても補助単価の減、起債の上限額の切り下げ等で当初の見積額の2億3千万円(16年度・17年度の一般財源の合計額)が6億8千万円に跳ね上がり、16年度だけをみても2億7千万円と莫大な金額であり、どうしても予算内示することができませんでした。
このようにして出来上がった予算の概要は次のとおりです。