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更新日:2023年1月4日

倉吉市立小学校の適正配置

令和5年1月4日(水曜日)
倉吉市教育委員会教育長 小椋博幸

 令和5年の正月を迎えました。新年、おめでとうございます。昨日、1月3日には「倉吉市はたちのつどい」を集会形式で行うことができました。倉吉を、鳥取県を、日本を担っていく若者達、立派でした。自身の道を歩み続けることで、更に成長されることを願っています。

 小学校の適正配置について、令和4年は灘手小学校と成徳小学校の統合が決定し、令和5年4月の開校に向け準備を進めているところです。また、小鴨小学校と上小鴨小学校、北谷小学校と高城小学校のそれぞれの統合についても、令和6年4月の開校を目指すということで各地域のみなさまの合意をいただきました。統合準備委員会のみなさまをはじめ、関係のみなさまには大変お世話になりありがとうございました。
 そこで、あらためて小学校適正配置の目的や効果等について振り返り、確認してみたいと思います。

 倉吉市の学校適正配置に係る取組を遡ると、平成21年の「明日の倉吉の教育を考える委員会」の提言がスタートです。その内容は、

  • 子どもたちが望ましい成長をするための学校・学級の適正な規模についての検討を行うこと。
  • 校区のあり方について検討を行うこと。 です。

 その後、平成23年の倉吉市学校教育審議会では、学級の適正規模について検討され、

  • 1学級最低20人~30人以上を適切な規模と考える。
  • 小学校、中学校とも1学年複数学級が望ましいが、倉吉の場合1学級でもよいとする。 とされました。

 学校の適正配置による有効性については、次のようなことが期待でき子どもたちの望ましい成長につながると考えています。

  • 人間関係の広がり
  • 男女比の偏りの解消
  • 多様な発言の引き出し
  • 切磋琢磨する環境づくり
  • 多様な指導方法(習熟度別指導、教科担任制など)
  • 複式学級の解消
  • 行事の幅の広がり
  • 学校や学級の活性化 などです。

 平成27年に文部科学省が示している「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引 ~少子化に対応した活力ある学校づくりに向けて~」には、学校の適正化を図る上で、第1に学校の果たす役割を再確認する必要があるとあり、その役割とは、児童生徒の能力を伸ばしつつ、社会的自立の基礎、国家・社会の形成者としての基本的資質を養うことと記されています。そのため、学校は、単に教科等の知識や技能を習得させるだけではなく、児童生徒が集団の中で、多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通じて、思考力や表現力、問題解決能力、社会性や規範意識などを身につけさせることが重要となるとあり、過去の統合事例から効果として次のように示しています。

【児童生徒への直接的な効果として報告があったもの】

  • 良い意味での競争や向上心
  • たくましさと教師への依存性への減少
  • 社会性やコミュニケーション能力
  • 切磋琢磨
  • 友人が増える
  • 多様な意見に触れる機会
  • 異年齢交流や集団遊びの成立
  • 学校が楽しいと感じる児童の増加
  • 進学に伴うギャップの緩和

【指導に関する内容や環境整備等に与えた効果】

  • 複式学級の解消
  • 多くの教職員による多面的な指導
  • 校内職員研修の活性化
  • グループ学習や班活動による多様な意見の創出
  • 音楽や体育など集団で行う教育活動、運動会、クラブの充実
  • 少人数指導や習熟度別指導などの多様な指導形態
  • バランスのとれた教員配置
  • 教材教具の量的質的充実
  • 校務の効率化と教育予算の効果的活用
  • 保護者同士の交流関係の広がり

 このように、子どもたちに必要な力をつけるためには、一定の学校規模を確保することも重要ということです。少子化がさらに進むことが予想される中、子どもたちが望ましい環境で望ましい成長をし「生きる力」を培うことができる学校教育を将来にわたって保証する観点を大切にしていきたいと考えています。
 さらに、統合後の新しい学校をどのようにして活力ある学校になるように進めていくかということも重要です。先に述べた、適正配置において期待できる有効性が発揮されることは、活力ある学校づくりにつながると考えていますし、地域の広がりは、学習における地域教材の開発や活用にもつながり、新しい地域ならではの創意工夫を生かした特色ある教育活動が期待できると思います。地域学校委員会が活性化することによって、教職員と地域のみなさまが目標や課題を共有し、新しい地域ならではの学校づくりにつながることも期待できます。
 こうした教育的効果を大きなものにしていくためには、保護者のみなさまや地域のみなさまの理解と協力が必要です。そのために、理解が広がるよう適切に情報発信を行い、PRも行っていきたいと思います。
 新しい学校づくりは、子どもたちや保護者のみなさま、地域のみなさまの思いを大切にしながら進めていくことが大切です。そのため、統合準備委員会の学校教育部会では、新小学校の学校教育目標について検討を進め準備をしてきました。学校教育目標の具現化を目指し、確かな学力の育成、豊かな心の育成、健康でたくましい心と体づくり、地域とともに発展する学校づくりに重点を置き、取組を進めて行きます。様々な取組を効果的に進めるためにも、教職員の質的向上や指導力向上についても、継続して進めていきたいと考えています。

 「倉吉市教育振興基本計画」のスローガンは、 ~行きたい学校・帰りたい家庭・住みたい地域~ です。目指すところは、持続可能な倉吉を創造していく、そのための人づくりだと考えています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。