更新日:2021年8月16日

 4月に福井前教育長から襷を受け、9月市議会において再任の承認をいただきました、小椋博幸でございます。大役を引き受けることになり、大変な重責ではありますが、誠心誠意取組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 教育にはたくさんの課題がありますが、その中で、中心はやはり人づくりだと考えております。本市におきましても、学校教育の充実をはじめ、社会教育の充実、博物館、図書館を含めた文化活動の振興、体育活動の振興、人権教育の充実等々、たくさんの人づくりの課題があります。それらの諸課題に一つ一つ誠意を持って対応していきたいと考えています。

 現在、学校教育では、新しい学習指導要領の実施に向けての取組、教職員の働き方改革ということが、全国的に話題になっています。

まず、学校の役割については次のように考えています。

  1. 勉強する場
    勉強とは、単なる知識の詰め込みではなく、基本的な知識や態度を身につけた上で、自らの力でいろいろなことを深く考え、判断し、調べたりまとめたり、発表したりする等の行動ができるようになることである。自立した生活ができるようになるための基礎・基本である。(主体的・対話的で深い学び)
  2. 集団生活を学ぶ場
    集団生活の中で学んでいかなければならないことは、人を支える、協力する、我慢する、人に対して思いやりを持つなどの行動と、あいさつや、返事、敬語などの言葉の使い方である。つまり、みんなが毎日楽しく過ごしていけるような集団生活を学ぶのである。コミュニケーション能力が重要ともいわれる。
    (家庭では、基本的な生活習慣を身につけることが第一である。)
  3. 命を預かっている場
    子どもたちが、元気に学校に来て元気に家に帰る。この当り前のことを当り前に行うことが大切である。子どもの健康や安全については、継続的に地道に取組むことが必要である。

 さらに、今、子どもたちに身につけさせたい力は、次のように言われています。

 『解のない〔答えのない〕課題に、今、最善であると考えられる何らかの解決策を生み出す力
 それを一人ではなく複数の仲間と協働して成し遂げる力』

 そのために学校では、主体的・対話的で深い学びということに取組んでいます。一昔前の、先生がずっと説明をするような授業ではなく、子どもたちが自ら学び考える授業です。また、様々な活動や行事を通して、集団生活も学びます。ですから、よりよい教育環境をどのように整えていくかということが重要だと考えています。小学校の適正配置に取組んでいるのも、その一つです。
 ただ、子どもの成長は学校だけで出来るものではありません。家庭や地域での学びがバランスよくかみ合って成長していくのだと思います。

 家庭教育については、あいさつや起床時間・就寝時間の固定などの基本的な生活習慣、人としてのマナー、社会のルール、善悪の判断等を身につけさせることが必要であると考えます。年齢に応じた心や体の発達の基礎となる家庭教育の重要性というものを私たちが十分に認識をすることが大切だと思っております。
そのため、PTA活動等、家庭への働きかけはもちろんですが、重点としたいと考えているのが、福祉部局との連携による幼児教育です。特に年齢に応じた体の発達ということに取組んでいきたいと思っています。

 次に、社会教育(地域の教育力)についてです。
 倉吉市では、学校支援ボランティア事業を進めてきたときから、地区公民館を中心として地域の多くのみなさんに学校を支えていただいています。小学校高学年、中学生ぐらいになると、「地域に恩返しをしたい。」という気持ちも育ってきています。地区運動会での中学生のボランティア活動は、かなり定着してきていると感じています。
学校の仕組みも、地域とともにある学校として地域学校委員会を組織し、委員のみなさんに学校経営方針を説明し、承認を得るという形になっていますし、学校関係者評価も行っていただいています。これにより、平成29年にはコミュニティースクールとして認定されました。
 今後も、土曜授業等を活用して、ふるさと倉吉に関わる学びを継続したいと考えています。

 倉吉市の教育理念は、「豊かな心を持ち、個性を発揮する人づくり」です。やはり目指すところは、倉吉を、鳥取県を、日本を支えていく大人になるよう、子どもたちを育てることだと考えています。市内で年間400人弱、誕生している子どもたちを、どのようにしてそれぞれの地域の跡継ぎに育てるかということです。
 「行きたい学校・帰りたい家庭・住みたい地域」をスローガンにして取組んで参ります。

平成30年10月16日

倉吉市教育委員会教育長 小椋博幸