更新日:2024年6月11日

教育長就任から2か月を過ごして

 

 4月2日に倉吉市教育委員会教育長に就任しました中田 寛です。変化の激しい時代、教育を取り巻く環境も大きく変化する中、その重責に身の引き締まる思いです。微力ではありますが、本市教育の充実のため、倉吉の未来である子どもたちのために全力を尽くしてまいりますので、市民の皆様のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 就任してから2か月が過ぎました。毎日のように様々な場所で各種会合があり、多くの市民の方とお話をする機会があります。教育は、大きくくくると学校教育と社会教育に分けられますが、この2か月の間にお会いしたのは、どちらかというと社会教育に関係する方が多かったように思います。どなたもそれぞれの分野、それぞれの地域で今の倉吉を背負って立つ方ばかりで、お話から倉吉への愛情、倉吉が育んできた歴史や文化への愛情がひしひしと伝わってきます。本当に感謝の思いでいっぱいになります。同時に、こうした倉吉への愛情や伝統や文化への思いを引き継いでいく世代を本当にこれまで学校教育の中で育てていくことができているのかという不安も大きくなりました。私は教員として30数年学校教育の側から社会をそして未来を考えてきたように思います。今こうやって現在の地元の現状等を見聞きしながら、社会教育や社会の側から今後の倉吉の学校教育を考えると、学校教育、社会教育がこれまで以上に一体となって、両方の視点からこれからの倉吉の教育を考え、進めていかなければならないと決意を新たにしているところです。

 そこで、本市教育の基軸として掲げたいのが「ふるさとキャリア教育」です。「ふるさとキャリア教育」とは、倉吉市の豊かな自然、風土、歴史、文化などに触れ、学び、倉吉に誇りと愛着をもつ「ふるさと学習」と、ふるさと倉吉と向き合いながら今後どのような生き方をしていくのかを学ぶキャリア教育を一体的に展開していくという思いを込めた造語です。ふるさとのことを知るだけにとどまらず、そこから自分自身の課題をもち、今の自分に何ができるのか、課題解決に向けてどう考え、将来自分はどう生きていくのか、どうありたいのかを主体的に自分自身であるいは仲間とともに考えていくことができる、そういった人材を育てていくことができたらと思います。

 そして、将来、そうした教育を受けた子どもたちが、倉吉にいてもあるいは倉吉を離れようとも倉吉に思いを寄せ続け、この2か月の間私が出会ってきた方々のように、倉吉をいろいろな角度から元気づけ、背負って立つ人として成長してくれることを期待したいです。

 私は、「ふるさとキャリア教育」を教育の基軸として、学校と家庭、地域が一体となった教育を進めてまいりたいと思います。「まちづくりはひとづくり」です。倉吉の未来である子どもたちのために全力を尽くしてまいります。今後ともお願い申し上げます。


令和6年6月11日 倉吉市教育委員会教育長 中田 寛