更新日:2025年4月1日

~ふるさとキャリア教育を倉吉教育全体の基軸に~

 

 3月下旬まで寒暖差が大きく上下した令和6年度末、倉吉市には大きな動きがありました。3月22日には国道313号倉吉関金道路延伸部分が供用開始となり、そして、3月30日には待望の県立美術館が多くの方々からの祝福を受けながら開館しました。その2日後にスタートした令和7年度、本年度はインバウンドも含め、これまで以上の人の流れも期待され、本市にとっては大きな注目を集める変化の年となりそうです。

 令和7年度は「第3期倉吉市教育振興基本計画」(令和3年度~7年度)の最終年度となります。5年間の取組を振り返り、次期教育振興基本計画策定に向けて動いていく年です。次期計画には、私が就任以来言っております「ふるさとキャリア教育」を教育全体の基軸に据えながら現状を把握し、これからの倉吉教育の方向性を示してまいりたいと思います。

  本年度は、その「ふるさとキャリア教育」推進の具体的な動きが始まります。その一つが歴史的な部分へのアプローチです。学校教育においては、すべての学校の小学校3年生が倉吉歴史民俗資料館・博物館を訪れ、倉吉千歯、倉吉絣等の倉吉が誇る歴史民俗や暮らしについて学びます。また、すべての学校の中学校1年生が社会科の歴史学習において、奈良時代、倉吉に伯耆国庁があったことを学び、伯耆国分寺跡や大御堂廃寺跡等の現地を訪れたり、博物館の収蔵品を見学したりしながら倉吉市が誇る史跡について理解を深めます。子どもたちには、倉吉のすばらしいところ、誇らしいところについての学びを通して、倉吉への愛着を深めるとともに、自分自身の生き方や在り方についても考えていく、そのような学習を進めていくことができたらと思います。

 「ふるさとキャリア教育」は、学校教育だけではなく、教育委員会事務局全体で進めていく取組と位置付けています。社会教育課では、昨年度西郷地区、小鴨地区でおこなった地域ミーティングを他地区でも取り組めるよう支援していきます。地域ミーティングをとおして地域の中・高生と大人が地域のことを一緒に考えることで関係性が深まり、地域における次代の担い手づくりにつながればと思います。博物館は、4月5日(土)からは「ベストコレクション展」を開催し、美術、歴史、民俗、自然科学等に関する収蔵品展示をとおして、倉吉市がどんな市であるか理解を深めていただき、興味をもって再々訪れていただく機会としたいと思います。図書館では、今年も「家族」をテーマにした山上憶良短歌賞を開催します。毎年四千首前後の応募がある全国的な短歌賞に定着をしてきています。本年度もどんな作品が集まってくるのか楽しみです。給食センターでは、地産地消の取組や食育の推進をとおして、倉吉の基幹産業である農業・農産物について触れる機会をたくさん持っています。加えて、市長部局やそれぞれの地域の皆さんと連携する部分もたくさんあります。「ふるさとキャリア教育」をとおして、倉吉市全体で倉吉の未来を創る子どもたち、地域を愛する人づくりに取り組んでいきたいと思いますので、本年度も変わらぬご支援ご協力をよろしくお願いします。

令和7年4月1日 倉吉市教育委員会教育長 中田 寛