更新日:2021年10月20日

 今年も7月から学校計画訪問が始まりました。新型コロナウイルス感染症対策の影響で、規模縮小しての入学式、運動会・遠足等の延期・中止、臨時休校等々、例年とは全く違う新年度のスタートでした。子どもたちは元気で普段通りの学校生活を送っているのだろうか、心配を胸に始まった計画訪問です。保護者の皆様、教職員の皆様のご尽力のおかげで子どもたちの元気な姿に接することができ安心しました。熱心な授業が行われ、教職員の皆様のご努力を思うと頭が下がります。
 また、ウイルス禍の影響で例年通りの各種大会が中止となるなか、各競技団体・保護者・行政の方々等関係者の皆様が協力され、代替大会が各地で開催されることは、子どもたちにとって何事にも代えがたい喜びとなることと思います。まだまだ不安が完全に払拭されたとは程遠い状況ですが、一日でも早く安心した学校生活が戻ってくることを祈っています。たとえ身近で感染が発生しても差別的なことがおきないことを願っています。人権学習の成果が学校内のみならず一般社会においても活かされることを切に願います。

 さて、新型コロナウイルス感染症は、我々の生活環境を大きく変え、我々にどのように対処すれば良いかを問いかけました。全ての行動に「必要不可欠か?」という物差しで自問自答を求めました。行き場所が突然なくなり生活リズムは一変し、人との距離を意識した行動をとることが求められました。普段気にもかけていなかった日常生活や、生活リズムがこんなにも貴重なものであったかを再認識させてくれました。100年前に猛威をふるったスペイン風邪(1918~1920年)の死者は世界全体で2千万人から4千万人、国内でも40万人前後の人が亡くなったそうです。当時の東京朝日新聞の記事には、『学校では運動会・遠足は中止、予防については、「汽車電車人の中ではマスクせよ 外出後はウガヒ忘るな」』とあります。今も昔も予防策として日常できることは同じなのです。過去の歴史から学ぶことの大切さを改めて我々に教えてくれています。
 これから私たちはコロナ禍に限らずいろいろな事象に晒されると思いますが、「必要以上に恐れてはいけないし、軽んじてもいけない。すべきことを淡々と成すこと」しか方策はないと考えます。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」とならないように日々生活していくことが何より大切なことだと思います。子どもたちが様々な体験を通して主体的に考え行動し、他者と協力し解決していく力を身につけてくれることを期待します。
 時代を担う子どもたちのために、我々大人は、真面目に活きていく範を示すことこそ何よりの子どもたちの教材となるのではないでしょうか。

 さあ、例年よりちょっぴり短い夏休みです。ふるさと学習の郷土読本「わたしたちの倉吉」「くらよし風土記~倉吉学入門~」を片手に、地元や校区外を探検に出かけましょう。そして、家庭では料理やアイロンがけ、洗濯などいろいろな事にチャレンジしましょう。学校で学んだ知識を活かす総合学習の場は、日常生活そのものです。

   子どもたちみんなが、逞しく成長し元気で2学期を迎えられるよう祈っています。

令和2年8月1日

倉吉市教育委員会教育委員 田民義和