更新日:2024年6月28日

すてきな笑顔をありがとう2

 

  昨年5月に新型コロナウィルスが5類相当になってから、さまざまな行事が行われるようになり、ようやくコロナ前に戻ってきています。

 新型コロナによって行事を見直すきっかけとなり、行事もコンパクトになったり、時間を短縮されたりと教職員の働き方にも変化が出てきたように感じています。

 私は、スポーツ活動、地域の活動で小中学生と関わることが多くあります。子どもたちの笑顔を見ていると、仕事などで疲れていても、嫌なことがあってもその笑顔でとても癒やされます。

 ある中学生が小学校の4年生頃から学校へ登校しない日が増えてきて、5年生になるとあまり行かなくなったようです。私は地域の子ども食堂に携わっていて、その子は4年生の頃から参加するようになりました。「どうして参加したくなったの?」と聞いてみると、「食事を作ることやみんなと食べることが好きだから」と言ってくれました。「学校はどうかな?」と聞いてみると、「う~ん」という返事で、それ以上のことは聞きませんでした。

 その後、子ども食堂には少し来なくなったのですが、5年生の後半から参加してくれるようになりました。学校には徐々に行けるようになり、少し変化が現れてきていたのです。

 子ども食堂に参加するとみんなと楽しそうに話をしたり、遊んだりしています。食事は好き嫌いがあるけど、食べられないものは、お母さんやおばあさんに食べてもらうと言って、必ず持ち帰ってくれます。「僕は食べられないけど、おばあちゃんは好きだから」ととても嬉しそうな笑顔をしてくれます。6年生になると学校も行けるようになって、子ども食堂も休まずに来てくれて、いろいろと話をしてくれます。この春に中学生になりましたが、2回ほど来てくれて、勉強や部活動も頑張っているようです。

 学校へ行けなくなってもどこかに自分の居場所があることで、安心できるのではないかと思います。自分の気持ちを受け入れてくれるような、信頼できる大人や家族があることは、子どもたちにとって安心できる居場所ではないかと思います。この子ども食堂は食育のことを考えて、自分たちで食事を作り、片付けもさせます。美味しいとか会話しながら食べる時の子どもたちの笑顔を見ていると楽しくなります。

 子どもたちの素晴らしい笑顔が溢れ、「やったね! できたね!」という声が出てくることを楽しみにして、日々子どもたちに接しています。


令和6年6月28日 倉吉市教育委員会教育委員 髙橋 義博