更新日:2021年8月16日
令和2年度の始めにあたって
~豊かな心を持ち、個性を発揮する人づくり~
春。一気に咲き始めた桜の花の下で、様々な別れと出会いがあります。今年の春は、新型コロナウィルスの感染防止のための一斉休校、卒業生と保護者、教職員のみで行った卒業式、複数回の臨時小中学校長会等、様々なことを想定しながら進めてきました。このような状況の中でも、日常の生活を大事にしたいと思います。進学、就職、家族と離れて新たな地への旅立ちなど、自分を磨く新しい生活へのチャレンジが始まります。この新しい生活のスタートが、さらに人として成長していく糧になるものと思っています。
新型コロナウィルスの感染防止に最大限の配慮をしつつ、少子高齢化が進んでいく中、倉吉を守り維持していく人材育成に向けて、私たちも、新しい年を歩み始めます。倉吉市教育振興基本計画(第二期)の5年目として「令和2年度 倉吉市の教育方針と重点施策」をまとめました。
学校教育では、「豊かな心とたくましく生きる力を持つ子どもの育成」を目指します。普通教室のエアコン設置が完了し、タブレット端末の一人1台配置も年次的に進める予定です。学習環境が大きく変わりますので、ICTを活用した、主体的・対話的で深い学びにチャレンジし、授業改善を進めます。小学校では令和2(2020)年度から、中学校では令和3(2021)年度から新学習指導要領による教育課程になります。小学校3年生から始まる外国語活動をはじめ、より専門的な学習となりますので、小学校高学年では一部教科担任制(交換授業)に取組みます。特別の教科道徳については、答えが一つではない道徳的な課題を一人一人の児童・生徒が自分自身の問題と捉え、「考える道徳」、「議論する道徳」となるよう研究を継続します。学力向上や不登校などの諸課題については、各学校の取組はもちろん、関係機関と連携しながら解決に向けて努力します。さらに、幼稚園・保育園、小学校、中学校というつながりが一層強まるよう力を入れたいと考えています。
また、平成29年度に学校運営協議会(コミュニティ・スクール)として認定された、本市の地域学校委員会の活動を一層推進し、引き続き「地域とともにある学校」として、ふるさと倉吉に誇りと愛着を持つ子どもの育成を目指します。
社会教育では、「倉吉を担う人づくり・まちづくりの推進」をめざして、生涯学習課、地区公民館、博物館、図書館、文化財課の機能を活用し、「いつでも・どこでも・だれでも・ともに学び、地域力を育む」よう取組みます。様々な講座や体験活動の開催、学習機会の提供等、まさに倉吉を担う人づくりに取組みます。上灘公民館(令和元年)、上北条公民館(平成30年)の連続優秀館(全国5館文部科学大臣表彰)受賞は、地域の課題である次世代育成に取組まれたことが評価されました。すばらしいです。また、倉吉ハイスクールフォーラムを中部地区に拡大し、各高等学校の特色ある活動を紹介するとともに、若い力に大きな期待があることも周知したいと思います。
山上憶良短歌賞(第8回)は、山上憶良伯耆国守赴任1300年記念プロジェクトから始めました。全国からの応募が4250首と、全国規模の短歌賞の一つとして、倉吉を元気にすることにつながっています。
小学校の適正配置については、「倉吉市立小学校適正配置協議会」のご意見を反映し、地区ごとに複数の修正案を示しています。今後、各地域への説明を行い、より多くのみなさんに納得していただける方法に集約していきたいと考えています。
時代の流れを読み、課題をしっかりと見つめ、その解決に立ち向かわなければならないと思います。今を生きる私たち大人の決断が、子どもたちの未来を保障するのだと考えます。
令和2年4月1日
倉吉市教育委員会教育長 小椋 博幸