緊急情報

緊急情報・注意喚起

  • ただいま緊急災害情報はありません。

閲覧補助support

自動翻訳

色変更

文字サイズ

 
更新日:2021年8月16日

令和3年度の始めにあたって
~豊かな心を持ち 自立して生きる 未来を拓く 人づくり~

 例年より十日以上も早かった桜の開花から、一気に咲いた桜の下で、様々な別れと出会いがあり、令和3年度が始まりました。進学、就職、家族と離れて新たな地への旅立ちなど、自分を磨く新しい生活へのチャレンジです。
  令和3年度の始まりは、「倉吉市教育振興基本計画」第3期(令和3年度~7年度)の始まりでもあります。昨年度からの新型コロナウィルスの感染防止に最大限の対策を講じながら、倉吉を守り維持していく人材育成に向けて、新しい計画を基に取り組みを進めたいと思います。
   第3期計画の教育理念、教育大綱、教育目標は、次の通りです。

【教育理念】
 「豊かな心を持ち 自立して生きる 未来を拓く 人づくり」
【教育大綱】

  • 創造性を培い、豊かな心と健やかな身体を養う。
  • 幅広い知識を身に付け、自立して生きる力を養う。
  • 社会の一員として、多様な人とともに、協働する力を養う。
  • 郷土を愛し、自然を大切にし、伝統や文化を尊重する態度を養う。

【教育目標】

  • 社会全体が協働し学び続ける環境づくり
  • 創造性を培い、自立性・自主性を養う学校教育の推進
  • 安心・安全な教育環境の充実
  • たくましく健やかな心と体づくりの推進
  • 文化資源の保存活用と文化・芸術の振興

 学校(教員)の使命は、日々の子どもたちの実態把握を行いながら、「児童生徒に力をつけること」だと考えています。まずは、「各教科の学び」です。子どもたちに身に付けさせたい力として、「解のない課題に、現在最適であると考えられる解を生み出す力」、「一人ではなく、仲間とともに新たな価値を創造する力」といわれる中、「主体的・対話的で深い学び」にチャレンジする授業づくりが必要です。なおかつ、今年度から全ての児童生徒にタブレット端末を配備できますので、発達段階(学年)や教科・領域に応じたタブレット端末の活用を研究することが最優先になると思います。倉吉市学校教育ICT活用推進計画に沿いながら進めたいと思います。
   次に、「集団生活を学ぶ」ということです。例えば、人を支える、協力する、我慢する、思いやり、あいさつ、返事、敬語などの言葉の使い方等、また、みんなが毎日楽しく過ごしていけるような人間関係も学びます。コミュニケーション能力も重要です。
 さらに、学校は「命を預かっている場」でもあることを大切に考えておくことも必要です。子どもたちが、元気に学校に来て元気に家に帰るという当たり前のことを当たり前に行うことが大切です。子どもの健康や安全については、継続的に地道に取り組むことが必要です。毎朝の排便であるとか、起床・就寝時間の固定、朝食を毎日食べる等の基本的な生活習慣を身に付けることも大切です。
   このような基本的な考え方を共通認識し、今まで積み上げてきた地域との連携を継続しながら、「日々の教育実践を児童生徒の姿で示すことのできる学校づくり」を目指します。
   また、倉吉に誇りと愛着を持つ子どもの育成については、引き続き重点事項としたいと考えています。倉吉の自然・地理・歴史・文化・先人などを「知る・楽しむ・育む」ことのできる倉吉独自の教育課程や青少年健全育成などの取り組みによって、子どもたち自らが地域について学び、語ることができ、そして地域の伝統の継承や地域づくりの担い手として主体的に活躍できるような人づくりを目指します

 小中学校だけではなく、社会全体が協働し学び続ける環境づくりを進めるため、地域力を育む社会教育を進めることにも力を入れたいと考えています。生涯にわたる学びを保障し、多様なみなさんの学習ニーズに応える学習機会の提供を充実することで、みなさんが学習された成果を地域に生かし活躍されることを目指します。また、引き続き、地域と学校との連携協働も推進します。昨年まで、社会教育の核となっていた地区公民館は、コミュニティセンターとして歩みを始めます。社会教育だけではなく、地域づくりの拠点としての役割も担うようになります。つまり、地域の特徴を活かした事業を展開し、人づくりを中心とした社会教育の機能を発揮しながら、学習と活動を結び付け、住民主体による地域づくり活動を支援する新しい地域の拠点としてその機能の充実を図ります。
   倉吉博物館は、「感動を生み、知る喜びを感じる」をテーマに、倉吉特有の歴史、芸術、民俗、産業、自然など倉吉のアイデンティティを形成し、子どもから高齢者までみなさんが日常生活の中において、驚きや感動、新たな発見や創作意欲を引き出すなど人間の「知的好奇心」を満たすことができ、そして誰もが利用しやすい施設を目指します。Wi-Fi環境も整備しましたので、学びの場としての活用もできるようになりました。倉吉市立図書館は、気軽に利用でき、暮らしに役立つ図書館活動を進め、多様化・高度化するみなさんの知的要求に応えるため、情報の提供に努め、みなさんの豊かな心を育めるよう取り組みます。また、交流プラザを含め、館内のWi-Fi環境を整備しましたので、より快適に利用していただけるものと期待しています。
   文化財の保存、活用、伝承については、倉吉市『文化財保存活用地域計画』を作成し、文化財の保存・活用の基本方針並びに市内の文化財を適切に保護するための調査・研究を実施し、まちづくりや地域振興、観光、学校、社会教育と協働しながら歴史的資産の適切な保存、活用を行い、その魅力が高められるような取り組みを進めます。現在取り組んでいる、史跡大御堂廃寺跡整備については、より多くのみなさんに大御堂廃寺跡の貴重さや魅力が伝えられるよう、整備計画を進めていきます。

 小学校の適正配置については、「倉吉市立小学校適正配置協議会」のご意見を反映し、地区ごとに複数の修正案を示しています。昨年度、各地区への説明を行い、より多くのみなさんに納得していただける方法に集約できるよう話合いを継続してきました。今年度もより良い調整ができるよう、引き続き努力して参ります。

 我が国は、超スマート社会(Society5.0)の実現に向けて人工知能(AI)やビッグデータの活用などの技術革新が急速に進んでおり、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けての取り組みも行われています。こうした社会の大転換の中で、教育のおいても、時代の求めるものを的確に捉え、課題の解決に向かってチャレンジする姿勢を大切にしたいと思います。今を生きる私たち大人の決断が、子どもたちの未来を保障するのだと考えます。

令和3年4月1日
倉吉市教育委員会教育長 小椋 博幸


※ 生涯学習課は、今年度から「社会教育課」と課名を変更しました。
※ Society(ソサイエティ)5.0:国が提唱する未来社会の構想。AIや自動走行車など、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会  (内閣府)