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更新日:2017年3月30日

 平成29年度の始めにあたって 新たな一歩を ~よみがえる倉吉~

 春は別れと出会いの時。一気に咲き始めた桜の花の下で、卒業と入学、或いは、家族と離れて新たな職場への旅立ちなど、多くのドラマがあったことと思います。
 中学校の卒業式、卒業生代表の答辞で次のように述べ、新たな一歩を踏み出す決意を語る姿がありました。
 「平成28年10月21日午後2時7分、最大震度6弱の地震が鳥取県を襲いました。いつもの日常、景色が一変し、幾度となく続く余震に恐怖でいっぱいになりました。5ヶ月経った今でも屋根のブルーシートはなくなっていません。そこに追い打ちをかけるように、2度の大雪が鳥取県を苦しめました。
 そんな時、ある番組を見ました。そこには倉吉地区の企業、学校、様々な方たちが『倉吉頑張っています』、『倉吉元気です』と大きな笑顔で写っていました。私たちは生きています。そして、本日仲間とともに笑顔で卒業式を迎えられています。その感謝を込め、卒業生代表として答辞を読ませていただきます。」

 私たちも、新しい一歩を踏み出さなければなりません。「」のとおり、心新たに取り組んでまいります。
 まず、地震の復旧・復興を最優先とし、倉吉市震災復興計画(平成28~31年度)の推進に全力を挙げます。
 学校教育では、「豊かな心とたくましく生きる力を持つ子どもの育成」をめざし、「」を各学校で具体化していきます。平成30年に学習指導要領が改訂となりますので、それに対応していきます。小学校3年生から始まる外国語教育をはじめ、すべての教科が質も量も増えより専門的な学習となりますので、小学校高学年の一部教科担任制に取り組みます。そして、道徳の教科化について、生きていく上での心棒となるものを家庭教育と連携しながら研究します。学力向上や不登校などの諸課題に対応するため、引き続き小・中学校の連携について取り組みます。
 また、地域学校委員会を地教行法に基づいた学校運営協議会(コミュニティスクール)としてに規定し、地域の人・もの・ことがらに触れる「」をいっそう推進していきます。

 社会教育では、「倉吉を担う人づくり・まちづくりの推進」をめざして、生涯学習課、公民館、博物館、図書館、文化財課の機能を活用し、「いつでも・どこでも・だれでも・ともに学び、地域力を育む」よう取り組みます。
 社会教育関係部署が一体となって進めた、も市民の皆様のご理解とご協力があり、シンポジウム、創作演劇、短歌募集、各種講座の開催、歌碑の建立など大きな成果がありました。
 特に、全国公募した今回は、47都道府県から合計6185首の応募があり、表彰式には、沖縄・長野など遠くから出席いただきました。副賞に上神焼陶板、そしてJA鳥取中央より倉吉プリンスメロンが贈られました。
 山上憶良が赴任する一年半前の714年10月には、伯耆国は風害のため賑給(稲の配給)があったと「続日本紀」は記述しています。憶良は被災した領民の状況を視察して、どのように伯耆国を治めたのでしょうか。
 中には、地震を取り上げている作品も数多くありました。
 ぐらぐらと余震の中で夜ご飯家族といるとこわさ忘れる (小学生の部)
 祖母とみるハザートマップ赤の地区避難通路を夜確かめる (中学生の部)
 歯磨きをしつつ呻きてへたり込む妻を抱きやる震度5強に (一般の部)
 夜になり気持ちが沈む避難所で子どもの笑顔明日へのちから (一般の部)
 千三百年後の伯耆国も地震という災害に遭いました。今に生きる私たちは、憶良の時代から連綿とつながっている、このふるさとを確実に未来へとつなげていかねばなりません。

 昨年、倉吉市教育委員会では「 倉吉市立小学校適正配置推進計画 」を策定し、説明会を各地区で開催してきました。その後、鳥取中部地震のため推進ができませんでしたが、この地震を踏まえ、地区の代表が集まり、課題やその解決方法等を検討していくための協議をする場を持たなければならないと考えます。
 いつの時代にも、何らかの困難がありました。その時々の課題をしっかりと見つめ、その解決に立ち向かわなければなりません。そして、倉吉をよみがえらせるための「新たな一歩」を進めましょう。
 平成29年4月1日

倉吉市教育委員会教育長 福井伸一郎