更新日:2018年6月15日
市議会に提案した議案等を掲出しています。

提案理由

 平成30年第3回倉吉市議会臨時会に当たり一言御挨拶を申し上げます。
 今議会は、私の3期目のスタートの議会でありますので、提出議案の説明に先立ち、今後の市政運営に取り組む所信の一端を述べさせていただきたいと思います。
 我が国の総人口は、平成20年前後をピークに人口が減少に転じ、また世界でも類を見ない超高齢社会に突入しようとしています。一方、東京圏では22年連続で転入超過が続き、その転入者の多くを15歳から29歳の若年層が占め、大学進学や就職を機にした若者の東京一極集中が止まらない現状にあります。
 そして、「第4次産業革命」と言われるIoTやAI、ロボットなどの技術革新の進展は、生産、販売、消費といった経済活動に加え、健康、医療、公共サービス等の幅広い分野や、人々の働き方、ライフスタイルにも影響を与えるようになってきています。
 そうした社会情勢が目まぐるしく変化する時代にあって、私は、市長に就任させていただいて以来2期8年、新斎場のオープン、企業誘致、学校の耐震化や防災行政無線の整備、子育て支援策の充実、鳥取看護大学の開学、県立美術館の誘致、ポップカルチャーを活用した観光振興の取組など、自分なりに全力で市政運営にまい進してまいりました。
 そうした中、最大震度6弱を記録した鳥取県中部地震が発生いたしました。被災された皆様に、改めて心よりお見舞い申し上げます。この地震の発生により本市も大きな被害を受けましたが、復旧・復興の早期実現を図るため、私も職員とともに、被災者の皆さんと一緒になって精一杯取り組んでまいりました。
 そして、このたびの倉吉市長選挙により、引き続き市長として市政を担わせていただくこととなりました。残念ながら、今回の選挙は、投票率が過去最低となりましたが、市民の皆さんの市政への関心、参画意識が高まっていくよう、市政発展のために精いっぱい努力してまいりたいと考えています。
 3期目と言いましても、現職でありますので、これまでの取組の積み重ねを大切にしていきたいと考えています。基本的には、平成28年4月からスタートした第11次倉吉市総合計画後期基本計画や、平成27年10月に策定した倉吉市未来いきいき総合戦略などの着実な推進を図ってまいります。少しずつではありますが成果も出始め、また民間においても新しい動きが出てきており、それらをしっかりと伸ばし、確実なものにして本市の強みに変えていけるような3期目にしたいと考えています。
 市政の課題としては、まず第一に震災からの復旧・復興です。平成29年3月に策定した倉吉市震災復興計画に基づき対策等を進めてまいりましたが、おかげさまで、市民並びに市議会の皆様の御理解と御協力により、公共施設・学校施設や道路等のハードの復旧はほぼ終えることができました。議会棟については大変ご迷惑をおかけしていますが、今しばらくお待ちいただきたいと思いますし、第2庁舎の整備につきましても準備を進めているところです。また、住宅の屋根を覆っていたブルーシートは確実に減少しているものの、まだ解消にはいたっておらず、住宅を解体したまま空き地となっているケースも見受けられます。少し遅れている伝統的建造物群保存地区の家屋等の修繕も目処を立てていきたいと考えています。被災者住宅再建支援金等の未申請の方もあり、現在申請期間を延長して対応しているところでありますが、住宅問題や生活面の課題を抱えた被災者に対し、県とも連携しながら支援チームによるきめ細かな相談を行い、生活再建に向けた後押しをしていきたいと考えています。
 また、いつ起こるかわからない災害に備え、鳥取県中部地震の発生以前より学校の耐震化や防災行政無線の整備を図ってきたところでありますが、このたびの震災により改めて地域コミュニティの力が災害時に効果を発揮していることを実感したところであり、さらに地域防災力の強化を図るため、地区防災計画の策定を支援するとともに、自主防災組織、地域防災リーダーの育成を推進していきたいと考えています。
 そして、震災からの復興を成し遂げるには地域経済の再建が急務であります。観光面では、震災前に比べて宿泊者数は増えているものの観光入込客数は震災前のレベルにまで回復していませんし、商業面では、小売業の業況判断は、震災直後に比べて改善傾向にあるものの未だマイナス水準のままであります。
 そうした中、新たな民間の集客拠点として「円形劇場フィギュアミュージアム」がオープンしたほか、県立倉吉体育文化会館にはスポーツクライミングの施設が整備され、国際大会等の開催による集客が期待されます。また、県立美術館の建設地が本市に決定するなど明るい話題もあり、これらを確実に倉吉市のまちづくりやにぎわいづくりにつなげていく必要があります。
 そして、二つ目の課題としては人口減少対策、少子高齢化への対応です。
 全国的に少子高齢化が進み、多くの地域で人口減少に直面しています。本市の人口は、平成22年の国勢調査結果では50,720人あったものが、平成27年には49,044人と5万人を割り込んでいます。国立社会保障人口問題研究所の推計人口よりは多い人口を維持し、人口減少のカーブは緩やかになってはいるものの、人口減少に歯止めはかかっていません。高齢化率も、平成27年の国勢調査結果では31.7%と、3人に1人が高齢者という時代に入ってきており、市内企業では人手不足となり、商店や農家では後継者や担い手不足といった影響も出てきています。
 若い人たちに倉吉に定着していただくことが重要であり、そのための条件整備をしていかなくてはなりません。雇用の場の確保については、地元の既存企業も含めて多種多様な業種・業態を確保し、選択肢を拡げる努力をするとともに、ハローワークなどと連携して求職者と求人企業とのマッチングを図っていきたいと考えています。
 基幹産業である農業については、今大きな転機を迎えています。海外を含めた産地間競争の激化や、世界的な気候変動、消費者ニーズの変化など、国内農業を取り巻く情勢は一段と厳しくなってきています。また、遊休農地の増加といった問題が深刻化しており、本市も例外ではありません。農地・農業用施設の適正な維持管理、特色ある農産物のブランド力や付加価値を高める取組を支援し、低コストハウスの導入などにより体質強化を図っていく必要があります。
 子育て支援については、引き続き妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援をめざします。保育所・子育て支援センター・放課後児童クラブ等の円滑な運営など、子育て支援体制の充実を図り、保護者の負担感を軽減していく取組を進めていきます。
 子どもの数が少なくなっている状況がある中で、子どもの教育環境を保障するという点において、小学校の統廃合は避けては通れない課題であり、様々な意見や考え方はあろうかと思いますが、前に進んでいかなければならないと考えています。
 また、県外から若い世代の移住を促進するため相談員を配置して、情報発信や相談業務を行うとともに、地元出身者のUターンを促進するため、県等とも連携し、地元企業の情報を届ける取組を進めていきたいと考えています。
 本市は、経済誌などでも住みよいまちだという評価をいただいています。しかし、住んでいる市民の皆さんからは、なかなか実感がわかないとのご意見をよく伺います。市民の皆さんが住みよさを実感できるような、そして、特に若い人たちが夢と希望を持って倉吉に暮らし続けていただける、そういうまちづくりをしていきたいと考えています。
 3期目の市政に臨むに当たり、所信の一端を述べさせていただきました。
 それでは、ただいま上程されました諸議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 今議会に上程されました議案は、
 報告案件 2件
 専決案件 6件
 補正予算案件 1件
 条例案件 1件の合計10件であります。
 初めに、議案第46号 平成30年度倉吉市一般会計補正予算(第1号)についてであります。
 本年度の当初予算は、4月に市長任期を迎えるため骨格予算として編成したことから、このたびの補正予算は、新規事業や投資的経費など、政策的な経費を計上するいわゆる肉付け予算として、編成したものであります。
 このうち主な事業について、第11次倉吉市総合計画“くらしよし”ふるさとビジョンの分野ごとに御説明申し上げます。

 

1.いきいきと働くことができるまち【産業】

 まず、中心市街地活性化推進事業についてであります。
 民間事業者が打吹地区で行う中心市街地活性化の拠点となる施設の整備に関し、これに伴って行われる公共的機能等の整備について支援するよう、2,000万円を計上しています。
 また、まちなかの賑わい再生のため、地域づくり団体が行う遊休資産の利活用などの計画づくりを支援するよう、補助金50万円を計上しております。
 次に、企業の立地促進、事業拡大等への支援についてであります。
 企業立地等を促進し、地域経済の活性化と雇用の創出を図るため、市内企業9社に対する企業立地促進補助金等3億800万円余を計上しております。
 また、市内企業の行う雇用の創出につながる設備投資を支援するため、地域総合整備資金貸付金(ふるさと融資)2億円を計上しております。
 次に、観光振興についてであります。
 関金温泉周辺の交流人口の増を図るため、関金地区でのトレッキングやウォーキングの環境を整備するための経費として300万円を計上しております。
 また、関金地区の地域資源の活用、発信などを図るため、新たな地域おこし協力隊を配置する経費190万円余を計上し、同時に、現在配置している地域おこし協力隊の一人の任期が満了することから、その隊員が倉吉市内に定住するために必要な起業活動を支援するための補助金100万円を計上しております。
 次に、農業への支援についてであります。
 農業経営基盤の強化を図るため、集落営農組織等が整備する農業用機械・設備に対して支援する経費として930万円余、有害鳥獣による農作物への被害防止を支援するものとして1,000万円を計上しております。
 また、土地改良施設の適切な維持管理を目的として、土地改良区等が互いに資金を拠出して実施する水路補修・浚渫などの適正管理のための事業を支援するための経費70万円余を計上しております。

 次に、林業関係の事業についてであります。
 原木椎茸のブランド化の確立等のため、椎茸生産農家の原木購入に係る補助金50万円を計上しております。
 また、林業の振興に関連して、森林法の改正により市町村において林地台帳の整備が義務化されたことにより、その整備に要する経費940万円余を計上しております。

 

2.いつまでも健やかに過ごせるまち【福祉・健康・人権】

 まず、保育所運営事業についてであります。
 快適な保育環境の確保等を図るため、市立保育園の乳幼児用トイレを洋式に改修し、また、保育室と事務室にそれぞれエアコンを設置するための経費として1,100万円余を計上しております。
 次に、妊娠・出産包括支援事業についてであります。
 生後4か月以内の母子を対象に、母親の身体的回復と心理的な安定を図り、乳児のケア及び育児のサポートを行うための経費60万円余を計上しております。

 

3.活力に満ち、豊かな心と文化が息づくまち【教育・文化・コミュニティ】

 まず、小学校及び中学校の運営についてであります。
 市の小学校2校及び中学校4校について、プール、屋内運動場等の施設の維持補修に要する経費1,900万円余を計上しております。
 次に、文化財の保護、利活用に関する事業についてであります。
 大谷工業団地の整備に伴って影響を受ける中尾遺跡について、発掘調査を行うための経費2,300万円余を計上しております。
 また、指定文化財である倉吉淀屋の利活用を促進するための屋外トイレの整備に係る経費340万円余、県立美術館建設の事業進捗にあわせ、建設予定地に隣接する大御堂廃寺跡の史跡整備を進めていくための保存活用計画を策定するための経費200万円を計上しております。

 また、スポーツ活動の振興に資するものとして、11月に県立倉吉体育文化会館で開催されるクライミング・アジア選手権に係る負担金300万円を計上しております。

 

4.安全・安心で快適に暮らせるまち【生活基盤・環境・防災】

 まず、道路、河川の整備等についてであります。
 市道を適正に管理し、車両通行の円滑化を図るため、道路の舗装、側溝等の維持修繕等に係る工事費6,600万円、市道住吉町円谷町線ほかの路線の改良に要する経費6,200万円余を計上しています。
 また、河川を適正に管理するため、福光川の改修、上灘地区の水路樋門の修繕等に要する経費4,200万円を計上しております。
 次に、交通安全対策についてであります。
 70歳以上の高齢者が自動車運転免許証を自主的に返納しやすい環境づくりを推進するため、補助金140万円余を計上しております。
 次に、防災対策についてであります。
 消防団員の夜間活動の際の安全確保等の観点から、消防団員用の活動服をより視認性等の高いものに更新していくこととし、そのための経費450万円余を計上しています。
 次に、災害対策についてであります。
 災害時に支援物資等を迅速に搬送するための災害対策車両1台の購入費430万円余、今後の大規模災害の発生に備えるため、鳥取県被災者住宅再建等支援基金積立に係る鳥取県への寄附金490万円余を計上しております。
 また、さらなる消防力の強化を図るため、消防団で使用する消防車両2台と各地区の自主防災組織で使用する小型動力ポンプ5台の更新に要する経費2,200万円余を計上しております。

 

5.その他【震災関連】

 最後に、震災関連事業としまして、鳥取県中部地震に係る被災者住宅修繕支援金の申請の期間が本年10月31日まで延長されたことに伴い、同支援金2,200万円余を計上しております。
 これらの結果、9億2,748万5千円を追加し、補正後の予算総額は、273億7,655万7千円となり、肉付け経費を含めた通年予算ベースで、平成29年度当初予算に比べて2億8,200万円余、1.0%の減となっております。

 次に、報告第4号及び報告第5号 議会の委任による専決処分についてであります。
 いずれも市職員が運転する公用車が相手方車両に衝突し、損害を与えたことに伴う損害賠償の額の決定に関するものであり、それぞれ平成30年3月10日及び平成30年3月13日に専決処分を行ったものです。
 次に、議案第40号 専決処分についてであります。
 平成30年4月1日から倉吉市農村環境改善センターの管理を行おうとしていた指定管理者が、法人格を取得し、その名称を「一般社団法人さんさんネットワーク倉吉」としたことから、平成29年12月18日市議会の議決を経た「倉吉市農村環境改善センターの指定管理者の指定について」の一部を変更することについて平成30年3月16日に専決処分を行ったものです。
 次に、議案第41号から議案第43号までの平成29年度一般会計補正予算(第12号)及び特別会計補正予算の専決処分についてであります。
 このうち、一般会計の補正は、平成30年第2回定例会の会期後に生じた、歳入について、特別交付税額の確定に伴う5,700万円余の減、ふるさと納税の増加に伴う倉吉ふるさと未来づくり基金寄付金1,500万円及び災害共済会災害見舞金の給付による1億600万円余の増、歳出について、財政調整基金積立金4,900万円余、倉吉ふるさと未来づくり基金積立金1,500万円などを計上し、この結果、6,400万円余を増額し、補正後の予算総額を293億5,925万1千円としたものであります。
 また、あわせて、国民健康保険事業特別会計では、特別調整交付金の交付額の増及び介護保険事業特別会計では、返還すべき国庫支出金等が生じたことについて、それぞれ補正を行うもので、補正後の特別会計の予算総額を163億1,666万6千円としたものであります。
 次に、議案第44号及び議案第45号 専決処分についてであります。
 議案第44号については、住所地特例の新設によって後期高齢者医療保険の被保険者の対象範囲が変更になったことから、特別医療費受給者にも同様の適用を行う必要があり、倉吉市特別医療費助成条例に所要の改正を行うことについて平成30年3月30日に専決処分を行ったものです。
 議案第45号については、地方税法等の一部を改正する法律が平成30年3月28日に成立し、平成30年4月1日から施行されたことに伴い、個人市民税均等割・所得割の非課税限度額の見直し、たばこ税の税率の引上げ等、倉吉市税条例に所要の改正を行うことについて平成30年3月31日に専決処分を行ったものです。
 次に、議案第47号 倉吉市税条例の一部改正についてであります。
 地方税法第314条の7第1項第4号の規定による個人市民税の寄附金税額控除の対象に、指定要件に適合する特定非営利活動法人を加えるため、所要の改正をするものです。
 以上、今回提案しました諸議案につきまして、その概要を御説明いたしました。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。

付議議案

平成30年5月第3回臨時会付議議案

  • 報告第 4号 議会の委任による専決処分について(損害賠償の額の決定について)
  • 報告第 5号 議会の委任による専決処分について(損害賠償の額の決定について)
  • 議案第40号 専決処分について(倉吉市農村環境改善センターの指定管理者の指定についての議決の一部変更について)
  • 議案第41号 専決処分について(平成29年度倉吉市一般会計補正予算(第12号))
  • 議案第42号 専決処分について(平成29年度倉吉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第4号))
  • 議案第43号 専決処分について(平成29年度倉吉市介護保険事業特別会計補正予算(第2号))
  • 議案第44号 専決処分について(倉吉市特別医療費助成条例の一部改正について)
  • 議案第45号 専決処分について(倉吉市税条例等の一部改正について)
  • 議案第46号 平成30年度倉吉市一般会計補正予算(第1号)
  • 議案第47号 倉吉市税条例の一部改正について

予算関係

提出予算案、予算編成資料については、 財政課のコンテンツ をご覧ください。

監査関係

監査等の結果については、 監査委員事務局のコンテンツ をご覧ください。

倉吉市議会について

倉吉市議会について詳しくは市議会のコンテンツをご覧ください。